資料を使って説明をするドクター

脚にジンジン、ピリピリとした痛みがある。電気が走るような痛みがあって歩けない。座っている時や横になると、お尻がジンジンしびれているような気がする。

このような症状がある場合、坐骨神経痛の疑いがあります。具体的にどんな病気であるか、治療薬についてご紹介いたします。



【5選】坐骨神経痛への薬にはなにがある?薬の特徴と違い


1)代表的な坐骨神経痛の症状とは?

腰から爪先まで伸びている坐骨神経は、末梢神経の中でも1番太く長い神経です。この坐骨神経が圧迫や刺激を受けることで現れる、痛みやしびれの症状を坐骨神経痛といいます。

(1)症状は腰から足先まで

片側の腰痛から始まりお尻、太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれ、冷感や熱感、引きつれを感じます。

(2)両足に痛みがある場合は専門家へ

両足に痛みやしびれがある場合は早急に病院へ行く必要があります

(3)肛門周辺のしびれ

悪化すると肛門周辺へのしびれ、排尿障害がでる可能性があります。

(4)異常な冷え

なお、痛みではなく、冷感が強くでると片脚だけ異様に冷える、いくら温めても冷たいという症状が現れますが、これも坐骨神経痛の症状です。

なお、坐骨神経痛という名前は病名、症状名どちらでも使用されることがあります。たとえば、腰椎椎間板ヘルニアにより下肢のしびれの症状がある場合、病名は「椎間板ヘルニア」で「坐骨神経痛」という症状がある、というように使用されます。

下肢のしびれや痛みがあっても、椎間板ヘルニアでも他の病気でもない場合は「坐骨神経痛」が病名になります。患者側からすれば、ややこしい話ですが、病院ではこのように使い分けていることがあります。

2)何が原因?坐骨神経痛の主な3大原因

坐骨神経痛の原因はいくつかありますが、代表的なものは下記の3つです。

(1)腰部脊柱管狭窄

脊椎は脳から背骨に沿ってのびてきた脊髄を守る役割があります。この神経が通っている背骨の隙間が脊柱管です。腰のあたりにある脊柱管が老化により狭くなり、神経根や馬尾が圧迫されると坐骨神経痛をおこします。この病気は50代以上に多く発症します。

(2)腰椎椎間板ヘルニア

背骨は椎体という骨で構成され、この椎体と椎体の間には椎間板というクッションの役割をする軟骨があります。腰部でこの椎間板が飛び出たり、はみ出すと神経を圧迫して坐骨神経痛をおこします。原因は中腰や前かがみで長時間いたり、急に重い物を持ち上げたりすると発症することがあります。

(3)変形性腰椎症

腰椎自体が変形し、神経を圧迫して腰の痛みや足のしびれをおこします。原因は加齢、運動で過度の負担を腰にかけた場合、長時間同じ姿勢でいることが、あげられます。この病気は脊柱管狭窄症の原因にもなります。

この他、帯状疱疹、カリエス、糖尿病、アルコール依存症、喫煙、ストレス、腰椎分離症やすべり症などが原因でおこることがあります。また、原因が不明であることもあります。

group of doctors meeting at hospital office

3)坐骨神経痛で処方される代表的な薬5選

坐骨神経痛には民間療法も含め様々な治療法がありますが、薬物療法が中心になります。
市販されている薬はあまり効きません。

病院で処方される薬には、神経の痛みに効く薬もあります。しかし、効きめが強い分副作用も多いのが難点です。ここでは、病院でよく処方される薬についてご紹介しますので、参考にしてください。

(1)NSAIDs(バファリン、ロキソニン、ボルタレン、カロナールなど)

NSAIDSとはステロイド以外の抗炎症薬、鎮痛作用、解熱作用を持つ、一般的には「痛み止め」といわれている薬のことをいいます。副作用は少ないですが、胃の不快感や発疹が出ることがあります。

(2)ノイロトロピン

痛覚神経の感受性を低下させる作用があります。慢性に長引く足腰の痛みや肩の痛み、しびれ、冷感といった神経障害性疼痛の治療に適しています。

安全性が高く長期の服用に向いています。副作用は少ないですが、発疹、かゆみ、食欲不振、肝臓の重い症状が出ることがあります。

(3)リリカ

神経障害性疼痛に有効な特殊な鎮痛薬です。一般的な鎮痛薬が効きにくい神経に起因する痛みに有効な効果的です。ヒリヒリと焼けつくような痛み、ピリッとした痛み、しびれるような痛み、ズキズキする痛みなど中枢性と末梢性を含む神経障害性疼痛に広く効きます。

重篤な副作用として劇症肝炎が報告されている他、体重増加やめまい、うとうとする、むくみ、頭が混乱する、不眠、頭痛、目がかすむ、物が二重に見えるなどの副作用が出ることがあります。また、併用できない薬が複数ありますので、必ず医師に服薬中の薬を伝えてください。服用法や注意事項、副作用について十分に説明を受けてください。

(4)トラムセット・トラマドール

侵害疼痛や神経障害性疼痛に有効なオピオイド鎮痛薬です。副作用が多いので、初めから使うのではなく、一般的な鎮痛薬の効果が不十分な時に使います。副作用として、気持ちが悪い、吐く、めまい、頭痛、便秘、異常感(不快感、ふわふわする感じ)、胃の不快感などがあります。必ず医師に服薬中の薬を伝えてください。服用法や注意事項、副作用について十分に説明を受けてください。

(5)鎮痛補助薬

本来は痛みの治療用に開発されたものではないが、痛みの治療に用いられるものを鎮痛補助薬といいます。症状により、ⅰ~ⅳの薬と併用されることがあります。

・ビタミンB12系統(メチコバールなど)

普通のビタミンB12に比べ末梢神経に対して高い作用があるため、神経の働きを助けるために用いられます。

・抗うつ剤(SSRI・SNRIなど)

神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン)の細胞への取り込みを阻害することで、下行性疼痛抑制系を活性化します。

・抗てんかん剤(リボトリール・テグレトールなど)

神経伝達物質の受容体と呼ばれる部位に作用します。神経の過剰な興奮を抑制します。

・筋緊張弛緩剤(ミオナール・テルネリンなど)

痛みにともなって筋肉の緊張がある場合に有効とされています。

・血管拡張剤(オパルモン・プロレナールなど)

血の巡りをよくすることで、痛みの改善をはかります。



まとめ

1)坐骨神経痛とは坐骨神経が圧迫や刺激を受けることで痛みやしびれの症状がでること

2)坐骨神経痛の原因は腰部脊柱管狭窄、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症など

3)坐骨神経痛で処方される薬はNSAIDs、ノイロトロピン、リリカ、トラムセットなど