ベッドの上で笑顔で横になる赤ちゃんと母親

赤ちゃんを無事出産し、忙しい毎日を送っていると疎かにしがちな産後の骨盤矯正。妊娠中に広がった骨盤は、出産後早いうちからケアしないと広がったままになり、産後太りや、産後の様々な不快な症状につながります。

今回は、「産後の骨盤矯正」についてその方法をお伝えします。



産後の骨盤矯正4つの方法!6つのメリットとは


1)妊娠中・産後の骨盤の3つの変化

(1)妊娠中の骨盤

子宮内の胎児の成長に合わせて、妊娠3ヶ月を過ぎたあたりから「リラキシン」と言うホルモンが分泌されます。リラキシンは関節を緩める働きがあり、骨盤もどんどん開いていきます。

 骨盤が開くことは胎児が大きくなるためには必要な事なのですが、骨盤自体にゆがみをつくりやすく、その周囲の筋肉や関節に、これまでかかっていなかった負荷がかかるようになります。

これが妊娠中の腰痛の原因の1つにもなります。

(2)出産時の骨盤

出産時の骨盤は最大に開いた状態で出産に臨みます。骨盤のつなぎ目はお産が始まると恥骨が合わさった部分は開いてきて、赤ちゃんが通るのを助けます。

骨盤は骨産道と呼ばれる、赤ちゃんの通り道なのです。

(3)出産後の骨盤

出産後、赤ちゃんが産道を通る時の刺激が脳に伝わり、一気に骨盤をひきしめるホルモンが放出され、骨盤の骨と骨をつないでいるスジが硬くなります。

このとき通常であればきれいに骨盤が元の状態に戻りますが、片手で抱っこしたり体を傾けて授乳したりといった、通常の赤ちゃんのお世話をするだけで、まだ緩みやすい骨盤周囲の筋肉や靭帯に負担をかけ、骨盤全体のゆがみにつながります。

2)産後の骨盤 放っておくと良くない5つの理由

(1)太りやすくなる

出産を経験された方の多くが経験されているのではないでしょうか。

骨盤が開いたままの状態では内臓が下垂し下腹が出る、お尻が下垂する、骨盤のまわりに贅肉がついて尻が大きくなるなど、体型が崩れてしまうことが多く見られます。

また、骨盤が歪んでいると血行が悪くなるため、脂肪の燃焼がうまくできず、太りやすくなってしまいます。

(2)尿もれ等の不快な症状が現れる

骨盤内の臓器を支える「骨盤底筋」がゆるむのが原因です。

赤ちゃんが出てくる産道の最も外側は「骨盤」で、そこから内側に軟産道がくっついています。この軟産道は骨盤底筋の大事な一部です。

軟産道は赤ちゃんを産む際に大きく伸び、出産後は少しずつ戻りますが、分娩の際にゆるんでしまったりすることで、産後に尿もれを起こすことがあります。 

(3)腰痛

女性は妊娠中、腰痛に悩まされるケースが多々あります。

妊娠中には子宮も大きくなり体重も個人差はありますが増加します。お腹が大きくなることで、お母さんは体の重心に変化が生じます。

この理由により脊柱(背骨)のS字型のカーブが強く現れると考えられます。また妊娠中は「リラキシン」というホルモン分泌でもゆるませる原因の一つだと考えられています。

(4)むくみ・冷え・便秘等

骨盤の歪みにより血液やリンパ液の流れのが悪化するから老廃物が溜まり、全身ががむくんだ状態になりやすくなります。

血流が悪くなる事は冷えの原因にもなり、免疫が下がる事で色んな病気にかかりやすくなり、便秘なども引き起こします。

(5)精神的ストレス

骨盤の歪みは身体に負担が掛かりやすい為ぐに疲れが溜まるようになり、出産によるホルモンバランスの変化もあって、精神的に不安定になりやすくなります。

疲れて床で眠っている女の子

3)産後の骨盤矯正のベストなタイミング

(1)産後2ヶ月~6ヶ月

分娩時に最大に開きゆるんだ骨盤は、産後3~4ヶ月をかけて、6ヶ月くらいまでには、左右交互に少しずつ縮みながら元の状態に戻ります。

その時に歪んだ状態で閉じてしまうと矯正するのが大変になってしまいます。産後の女性のじん帯は大変柔らかくしなやかで、特に産後4ヶ月までは歪んだ骨盤を矯正しやすい時期です。

(2)産後直後は安静に

産後1ヶ月は悪露が出るなどまだ出産の影響が体に残っており、無理に骨盤矯正を始めてしまうと、悪露が出きらないこともあります。

すぐに強力なニッパーやガードルなどでお腹を締めると効果がありそうな気がしますが、本来骨盤の中に収まっているべき直腸・子宮・膀胱も一緒に押し下げてしまい、尿漏れや子宮脱を引き起こす危険性があります。

この時期は本格的な骨盤矯正をするまでの準備期間と考え、出産で疲れた体を良い状態に整えてあげることで、その後の骨盤矯正にもよい影響が期待できます。

病院から指導された産褥体操を積極的に行いましょう。

(3)時期別アイテムを上手に取り入れる

産後の体型・骨盤矯正のためのグッズが多く出ています。産後直後には、内臓が下垂しないためのソフトなニッパーやガードルも使えます。

体に無理のかからないアイテムを取り入れることで、本格的な骨盤矯正への準備をしましょう。

骨盤ベルトは付けっぱなしは筋肉を弱くさせてしまうので、立ち仕事や移動の時などに使用するとよいでしょう。

4)産後の骨盤矯正の6つのメリット

(1)骨盤底筋群が鍛えられる

骨盤底筋郡は骨盤の底にあり、肛門、尿道、膣を締める働きがあります。

骨盤底筋群はお腹(腹筋群)、背中(脊柱起立筋)、太もも(内転筋群)の筋肉の出発点であり、ここを鍛えるとにより、お腹、背中、太ももに力が入り、体に軸ができて骨盤の歪みも整います。

(2)産後の腰痛が緩和

骨盤は腰椎と繋がっているため、骨盤の歪みが解消されることで腰部への負担が軽くなり、腰痛を緩和させることができます。

(3)冷えやむくみの改善

内臓の機能が正常に働くことにより、骨盤内の血行不良が改善され、冷え性やむくみなどを解消します。

(4)背中、肩のこりが緩和されます

骨盤を正し、背骨を支えたり、背骨の関節の動きに関する筋肉も正常に働くようになると、頭を支える首の筋肉や腕の動きに関わる肩甲骨周り・胸部の筋肉のコリを解消させます。

(5)自律神経のバランスが安定

自律神経とは、自分の意思とは関係なく、呼吸、代謝、消化、循環などの生命維持と調整活動を司っている神経です。この自律神経は脊椎の中にある脊髄を通っています。

この脊椎を支えているのは骨盤です。その骨盤がゆがむと脊髄にも影響が及んで自律神経のバランスが崩れ、心の病に結びつく可能性があると言われています。

歪みを正すことで自律神経が安定し、精神的にも落ち着いた状態になることが期待できます。

(6)基礎代謝が上りやすくなる

骨盤がゆがむことによって、姿勢が崩れ、使う筋肉と使われない筋肉が出てきてしまうのです。

骨盤が正常な位置にあることでその周囲の筋肉のバランスも取れ、偏りのない体になることで基礎代謝があがることが期待できます。

母親に抱っこされて本を読む子ども

5)産後の骨盤矯正4つの方法

(1)座って行うストレッチ

横座りをして腕を胸の位置まで上げ、ひじを曲げます。ひじを固定したまま腰を左右に回します。

この動作を左右3回ずつ繰り返します。

腰を左右に回したときに、ひじが上下にぶれずに、腰から頭の先まで一直線のイメージでストレッチを行いましょう。座ったままできるので、授乳後ごとにやるとよいでしょう。

(2)立って行うストレッチ

つま先はまっすぐ前に向けて、両足を肩幅に広げて立ち、腰に手をあてます。視線はまっすぐ前を向き、上半身は固定したまま右方向に腰を回します。

右回り30回、反対に左回り30回を行ってください。

フラフープの要領で腰を回すだけの簡単ストレッチです。骨盤がゆがんでいると腰がスムーズに回らないので、今の状態がわかりますよ。腰痛防止にも効果的で、家事の合間に取り入れてください。

(3)寝たままストレッチ

仰向けに寝た状態で、息を吐きながら片方のひざを曲げて胸の方に引き寄せてください。息を吐ききり、ひざが胸についたら息を吸いながらひざを元に戻します。反対側も同様に行いましょう。

骨盤の左右の高さを整えるストレッチです。息を吐くことで骨盤周りが緩みやすいので、動きに合わせてゆっくり深呼吸をしましょう。

深呼吸にはリラックス効果もあるので、ちょっと疲れたなと感じたときごとに行うと気持ちが落ち着きます。

(4)カイロプラクティックや整骨院

少し自分の時間が持てるようになったら、気分転換も兼ねてカイロプラクティックや整骨院に行くのもおススメです。

産後の骨盤矯正コースなどがあるところがよいでしょう。赤ちゃんと同じ部屋で施術してくれるところも増えてきています。

毎日赤ちゃんの泣き声に左右されイライラしがちですが、少しだけでも自分の為の時間を作るだけで、気分的にも明るく前向きになれますよ。

6)骨盤矯正への5つの生活習慣

(1)産後一ヶ月は階段は避ける

階段の上り下りは、まだ不安定な骨盤を前後左右に大きく揺らしてしまいます。この時期はなるべく骨盤を水平に保つよう心がけましょう。

(2)抱っこの姿勢

お母さんの重心の位置を意識的に後方に置くようにします。重心の位置は内くるぶしの下になるようにしましょう。

重心の位置が前方になると、体の前面に力みが生じ、コアやハムストリングスが使えなくなるため、背中が張り骨盤がひらきやすくなります。

(3)授乳の姿勢

なるべく椅子やソファーに座り足を閉じて授乳しましょう。床や畳に座りあぐらの姿勢は骨盤が開きやすくなるのでオススメできません。

どうしても床などで授乳する場合は、馬にまたがっているようなイメージで足の間にクッションや座布団を挟み、お尻を高くして座りましょう。

片足を組んで授乳することも事も多いですが、ゆがみの原因にもなります。こまめに交互に組みなおしたり、クッションやバスタオルなどで赤ちゃんを支えましょう。

(4)寝方

広がった骨盤は横からの力にとても影響を受けやすくなっています。ですので、できるだけ横向きに寝るのは避けましょう。

仰向けか、うつぶせがお勧めです。うつ伏せは、内臓も子宮もあるべき場所に落ち着きやすい姿勢です。

出産直後に、子宮が縮む痛みがあっても、うつぶせの方がお腹を抑えた格好になるので、痛みが落ち着きます

(5)できるだけ姿勢を正しく

出産の疲れや、妊娠中の運動不足による筋肉の衰えなどで正しい姿勢で座ることすら苦痛になっているかもしれません。

しかし気がついたときだけでも背筋を伸ばし骨盤を意識することで、体が骨盤を元に戻そうとする働きを助けることに繋がります。



今回のまとめ

1)「リラキシン」というホルモンが分泌されると、骨盤全体を緩みやすくさせる

2)骨盤矯正に最適なのは産後2~6ヶ月の間

3)開いた骨盤は出産後には自然治癒力により元の位置に戻ろうとするが、そのとき正常に戻るよう手助けするのが骨盤矯正の本来の目的

4)赤ちゃんのお世話はできるだけ左右均等に力が入るようにする

5)少し骨盤を意識するだけでも、何もしないよりは大きな効果が期待できる。赤ちゃんのお世話で自分の骨盤のことはつい忘れがちになってしまいます。

ですが、骨盤が緩むホルモンが出ている時こそが、骨盤矯正のチャンスです。ここで歪んだままにしていると、将来大きな病気に繋がることもあります。

かわいいお子さんの為にも、ご自分の体にも気をつけて労わってあげてください。