男性にレントゲン写真を見せるドクター

変形性腰椎症は40歳以上の人、特に高齢者に多い病気で、そのおもな原因は「加齢」によるものです。したがって自然現象ともいえる病気ですが、姿勢やストレッチでできる限り予防していきたいものです。

今回は変形性腰椎症の症状治療などについてご紹介します。



変形性腰椎症3つの症状!5つの治療法とは


1)変形性腰椎症とはどんな病気か

(1)変形性腰椎症とは

腰椎の加齢変化によって腰痛が起こる病気です。腰は腰椎から骨盤までの間を指し、骨盤が上半身の重みを支え、腰椎がその重みを足に伝えて体を前後左右に動かしています。

変形性腰椎症は、椎間板の加齢変化を基盤として、椎間関節や靭帯組織などにも変化を来し、その結果、筋肉組織を含め腰部の疼痛やだるさなどの局所症状をもたらすものです。

(2)この病気になりやすい人の3つの特徴

この病気に罹りやすい人を以下に整理します。

40歳以上の方

加齢がおもな原因となるため、特に高齢者に多く見られます。

長年腰に負担をかけてきた人

重労働者や肥満気味の人、腰を酷使するスポーツを続けてきた人、腰の怪我や病気を繰り返している人などは変形しやすいといわれています。

更年期障害のある中高年の女性

女性の場合は更年期障害の一部として起こるケースが認められます。

2)変形性腰椎症の症状

(1)起床時・動作時に強い腰の痛み

おもな症状は腰痛です。通常は起床時などの動作開始時に強く痛み、動いているうちに軽減します。また、長時間の同一姿勢でも腰痛は強まります。

(2)腰痛の痛みの部位は広範囲

腰痛の部位は、腰部全体に漠然と感じる場合や、「棘突起」と呼ばれる骨組織の周囲であったり、「傍脊柱筋」であったりとさまざまです。臀部や大腿後部まで痛みを感じることもあり、特に臀部は高頻度に痛むといわれています。

(3)進行すると外見上の変化

変形が進むと、外見上も体が側方に曲がったり、後ろに曲がったりし、腰痛のため長時間立っていることが困難になってきます。

3)変形性腰椎症の2つの主な原因

(1)加齢による椎間板の劣化

変形性腰椎症の原因としては、重労働や遺伝的なもの、スポーツによる酷使などが挙げられますが、おもな原因は「加齢」です。椎間板や関節が老化によって劣化し起こるものといえ、40代以降になると多く見られます。

年齢を重ねると椎間板が劣化し水分が少なくなり、弾力性が失われます。そうなることで脊椎骨の縁が変形してきて椎体間の隙間が狭くなり、脊柱も不安定となって周りの神経や神経根が刺激されることとなります。

(2)骨棘による神経の刺激

このような状態になると、椎骨は「骨棘」をつくり出して支えようとしますが、この骨棘自体が周囲の神経を刺激して痛みが生じてしまうことがあるのです。

Two women doctors talk about examination

4)変形性腰椎症の5つの治療法

変形性腰椎症は、ある意味自然な老化現象とも考えられ、完全に治すことは困難です。したがって、症状を和らげるための「保存的療法」が基本となります。

以下に5つの治療法を整理します。

(1)運動療法

腰周りの筋肉などを強化するために腰痛体操や柔軟体操を行います。

(2)温熱療法

患部を温めて血行を良くします。

(3)薬物療法

消炎鎮痛薬や筋緊張弛緩薬などを服用し痛みを和らげます。筋肉部分に痛みがある場合は、局所麻酔によるトリガーポイント注射なども効果的と考えられています。

(4)装具療法

腰にコルセットなどをつけて保護します。

(5)牽引療法

腰を上下に引っ張って関節の隙間を広げます。

なお、痛みの症状がひどい場合や下半身の痺れ、歩行障害などの神経障害が認められ、明らかに日常生活に支障を来している場合は手術も検討されます。

この場合には、骨棘を切除して取り除く「骨棘切除術」や、神経の通り道を広げて圧迫を減らす「除圧固定術」などの手術法があります。

5)変形性腰椎症の予後の3つの留意点

(1)安静だけではNG

変形性腰椎症を和らげるためには、安静にしているだけではいけません。体を動かさないでいると筋肉が萎縮し、かえって痛みが出てしまうことがあります。

(2)普段の生活へ少しずつ近付けていく

強い痛みが治まったら、可能な限り普通の生活を送るように心がけます。それと同時に軽い体操やストレッチなどで腹筋や背筋といった腰周りの筋肉を鍛えることが大切です。

(3)専門医と一緒にリハビリテーション

但し、この病気の場合、体を後ろに反らすような動作は症状を悪化させます。症状を患った後に家で運動を行うにあたっては医師に相談してアドバイスを受けるようにしましょう。

6)変形性腰椎症の予防ポイント

予防のポイントとしては、日常の「姿勢」を見直すことが最も重要です。立ち方や座り方にも腰に負担をかけない正しい姿勢があります。

長時間立っている場合はちょっとした段差などに片足を置くことで腰の筋肉が緩み腰痛予防となります。座るときは背筋を伸ばし、椅子の場合は深く腰掛けることがポイントです。

デスクワークや毎日の家事なども腰に負担がかかる仕事が多いといえます。合間に適度な休憩を入れてストレッチするなど工夫を凝らすことが大切です。



今回のまとめ

1)変形性腰椎症とは、腰椎の加齢変化によって腰痛が起こる病気であり、筋肉組織を含めて腰部の疼痛やだるさなど局所症状をもたらすものである。

2)この病気に罹りやすい人は、「40歳以上の人」、「長年腰に負担をかけてきた人」、「更年期障害のある中高年の女性」である。

3)変形性腰椎症のおもな症状は腰痛であり、通常は起床時などの動作開始時に強く痛み、動いているうちに軽減する。長時間の同一姿勢でも腰痛は強まる。

4)原因としては、重労働や遺伝的なもの、スポーツによる酷使などが挙げられるが、おもな原因は加齢である。

5)変形性腰椎症は自然な老化現象ともいえるため、治療は保存的療法が基本であり、「運動療法」、「温熱療法」、「薬物療法」、「装具療法」、「牽引療法」などの治療が施される。

6)予防のポイントとしては、日常の立ち方、座り方などの姿勢を見直し、仕事や家事の合間にストレッチなどを行うことが大切である。