赤ちゃんとヨガをする母親

骨盤は身体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐ重要な骨です。女性の骨盤は出産の関係上、男性よりも歪みやすい傾向にあるそうです。

今回は産後の骨盤矯正の必要性と骨盤矯正のトレーニング、ストレッチ法、予防方法をお伝えします。



産後の骨盤矯正8つの方法!4つの効果とは


1)骨盤とは何か

骨盤は「仙骨」「寛骨(腸骨・恥骨・座骨)」「尾骨」という3つの骨によって成り立っています。体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐ要ともいうべき存在です。

「寛骨」のひとつ「腸骨」と「仙骨」をつなぐ「仙腸関節」はひとつあるのみで、その周りは筋肉と靭帯の力だけで支えられているため、もともと不安定でゆがみやすい骨といえます。

正常な人の骨盤は逆三角形のきれいなハート形をしていますが、ゆがんでくると四角く開いたり、前後左右にねじれるなど人によってさまざまな形に変化していきます。

その歪みが上半身・下半身の骨へ伝わり、最後には全身が歪んでしまうことにもなりかねません。妊娠中の女性にとって骨盤は赤ちゃんが成長する場所である子宮を守ってくれる大切な場所です。

2)産後の骨盤の2つの変化

(1)体のラインの変化

出産で広がった骨盤のせいで、産後の女性のお尻は左右に大きい四角っぽい形になります。むくみも出やすくなるため、浮き輪のような脂肪が腰まわりについているように感じるでしょう。

(2)失禁や頻尿など

骨盤が開いた状態がつづくと、股関節まで歪んでしまいスタイル以外にも問題が出てきます。

体のバランスが崩れることで、骨盤底筋が弱まるなど筋肉群が衰えてしまい、失禁や頻尿といった問題が出てくるのです。

3)産後の骨盤を放っておく4つのリスク

(1)尿もれ

骨盤内の臓器を支える骨盤底筋の緩みが「尿もれ」が起こることがあります。

胎児が出てくる産道の中の軟産道が出産の際に大きく伸び、出産後は徐々にもとに戻ります。しかし、分娩の際に傷ついたりゆるんでしまったりすることで、産後に尿もれを起こすことがあります。

(2)代謝の減少

血行が悪くなり脂肪燃焼がうまくいかず、やせにくくなります。

骨盤が妊娠前の状態に戻らず、骨盤のバランスが悪いと血行が悪くなることがあります。血行が悪いと脂肪の燃焼がうまくいかず、産後のダイエットしてもなかなかやせない状態になってしまいます。

(3)腰痛

背骨の変化やホルモン分泌の関係などで腰痛になることもあります。

妊娠中の体重増加や子宮が大きくなりお腹が前に飛び出すために体の重心が変わります。そのため、背骨のS字カーブがきつくなります。

また、「リラキシン」という関節を緩ませるホルモンが分泌するので、仙腸関節が緩みます。

これは、妊娠中に大きくなったお腹を受け入れるための変化なのですが、産後はこの緩みが原因で腰痛が発症するのです。

(4)股関節痛

骨盤の緩みが元どおりにならないと腰痛だけでなく股関節痛の原因にもなります。

骨盤と同時に、妊娠によって股関節もだんだんと緩くなって出産に備えます。出産後は自然と元に戻っていくものですが、骨盤の緩みが完全に元に戻らないと腰痛と同じように股関節痛が生じることもあります。

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4)産後の骨盤矯正の2つのトレーニング法

(1)骨盤スクワットでトレーニング

㈰ 両足を軽く肩幅程度に開き、がに股のようにつま先を左右45度くらい外に向けます。両手は楽におろしたままで、上体をまっすぐにします。

45秒を目安にゆっくりと腰をおろしていきます。今度は15秒を目安にして元の姿勢に戻します。

㈪ ㈰のがに股でスクワットを行った時よりも広めに足を開きます。つま先をなるべく内側に向けます。(左右の指先が向き合うような形になります)

㈰のがに股でスクワットを行った時と同様に45秒でゆっくりと腰を下ろし、15秒で元の姿勢に戻します。

㈫ 肩幅くらいに足を開いて、㈪と同様つま先をできるだけ内側に向けます。

㈰㈪と同様に45秒で腰を下ろしていきます。

15秒で元の姿勢に戻ります。骨盤スクワットはやればやるだけ効果が出るというわけではなく、1日に㈰㈪㈫を各1回ずつやればよいようです。

(2)バランスボールでトレーニング

バランスボールの基本のポジション(ひざが90度、背筋を伸ばした状態)から始めます。骨盤を前後に倒すと同時にボールを前後に転がします。

骨盤周りが硬い方はボールがしっかり前後に動きません。骨盤が硬く前後に動きにくい方は周辺の筋肉が凝り固まってしまっていたり、十分な筋肉量が無い事が考えられます。

十分な筋肉が無かったり、凝り固まってしまっている方は猫背の原因や姿勢悪化の原因となり、肩こりや腰痛の元になりがちです。

ストレッチでも骨盤を柔らかくほぐす運動も可能ですが、このバランスボールを使った骨盤ほぐしの運動ですとどの程度ほぐれているか、自分の骨盤が硬いのかを目視で確認出来る点がオススメです。

5)産後の骨盤矯正の6つのストレッチ法

(1)骨盤底筋ストレッチ

骨盤底筋を鍛えると、くしゃみなどによる尿漏れを改善することができます。今症状がなくても加齢とともに骨盤底筋は弱くなってしまうので、産後にかぎらず習慣化するのがおすすめです。

立った姿勢でひざにタオルやクッションをはさむ

タオルやクッションを押しつぶすようにかかとをつけて、つま先を90°以上開く

5秒ほどかけて屈伸を行う

屈伸を30回繰り返す

(2)骨盤回し

フラフープの要領で腰を回すだけの簡単ストレッチです。骨盤がゆがんでいると腰がスムーズに回らないので、今の状態がわかります。腰痛防止にも効果的ですので、家事の合間に取り入れてみるとよいと思います。

つま先はまっすぐ前に向けて、両足を肩幅に広げて立ち、腰に手をあてる

視線はまっすぐ前を向き、上半身は固定したまま右方向に腰を回す

右回り30回を行う

反対に左回り30回を行う

(3)横座りストレッチ

腰を左右に回したときに、ひじが上下にぶれずに、腰から頭の先まで一直線のイメージでストレッチを行いましょう。

横座りをして腕を胸の位置まで上げ、ひじを曲げる

ひじを固定したまま腰を左右に回す

左右3回ずつ繰り返す

(4)簡単骨盤ストレッチ

骨盤の可動域を広げるストレッチです。固まってしまった状態をほぐすことができます。とっても簡単なので、就寝前に行うのがおすすめです。

ひざを外側に曲げ、足をWの形に開いた状態で10~20秒キープ

足裏をつけた状態でひし形に開き、10~20秒キープ

(5)ひざ寄せストレッチ

骨盤の左右の高さを整えるストレッチです。息を吐くことで骨盤周りが緩みやすいので、動きに合わせてゆっくり深呼吸をしましょう。

深呼吸にはリラックス効果もあるので、ちょっと疲れたなと感じたときに行うと気持ちが落ち着くと思います。

仰向けに寝た状態で、息を吐きながら片方のひざを曲げて胸の方に引き寄せる

息を吐ききり、ひざが胸についたら息を吸いながらひざを元に戻す

反対側も同様に行う

(6)骨盤組み直しストレッチ

骨盤と連動している股関節を回すことで固さをとり、ゆがんでいる骨盤を元の位置に戻しやすくします。引き寄せストレッチとセットで行うと効果を得やすいのでおすすめです。

仰向けに寝て、両手をお腹の上に置く

両足を少し浮かせ、片足を空中で自転車を漕ぐようにゆっくり20回ほど回す

反対の足も同様に行う

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6)産後の骨盤矯正 専門家へ頼る場合の3つのポイント

専門家に頼るのには、どのようなことを意識して決めたらいいのでしょうか?

(1)鍼灸接骨院

出産後2~4か月から3年以内に始めるのがいいようです。あまり年数が経過すると骨盤周囲の靭帯がズレた位置に固まってしまい固定化してしまいます。

その為に、出来るだけ早めがお勧めのようです。骨盤の高さの変化を写真検証(施術前・施術後)を行った上で比較し、患者自身も施術前後の効果を比較できるので納得できます。

(2)整体・整骨院

産後1か月~1年以内が目安(ベストは1~6か月)です。一般的な骨盤矯正と産後の骨盤矯正の違いをよく理解している院を選ぶといいでしょう。

整体というと、「ボキボキ」「バキバキ」というイメージがあります。今は、そのような痛い整体というのはあまりないようです。患者さんに合わせて、やさしくも強くも施術してくれるそうです。

(3)カイロプラクティック

産後3か月目以降からが望ましいようです。産後の骨盤のゆがみは、「出産したから」ではなく「骨盤が緩んでいるときに周囲の筋肉の悪影響を受ける」ために生じるのだそうです。

カイロプラクティックでは、骨盤矯正だけでなく妊娠中にくせになってしまった反り腰など全身のバランスを見て施術してくれるようです。

骨盤矯正を始めたら良い時期には、あまり変わりはないようです。

どのような専門家に頼るかの決め手となるのは「施術内容が自分に合っているか」「赤ちゃんを一緒に連れて行ける環境があるか」「施術してくれる先生が信頼できるか」の3つではないでしょうか。

7)日常生活からできる骨盤の歪みへの3つの予防ポイント

(1)バランスの悪い姿勢をしない

「長時間椅子に座っている」「椅子に座る時に足を組む」「片方の手でばかり荷物を持つ」「ヒールの高い靴をいつも履く」「歩き方に癖がある」など、バランスの悪いことは気をつけましょう。

食事のときにも、決して足を組んだり、肘をテーブルについたりしないようにしましょう。

(2)バランスの悪い運動に注意

運動するのは、血行も良くなって腰痛や肩こりなどにも良さそう。だから、骨盤にも良いと思いませんか。でも、スポーツの中には左右非対称なスポーツもあるので注意が必要です。

主なスポーツでは、テニス・野球・ゴルフなどはバランスが悪いようです。逆に、バランスの良いスポーツは、ウォーキング・ランニング・水泳です。

(3)睡眠する環境を整えましょう

寝ている間は、ほとんど無意識なので寝る前にきちんとした環境を整えておく必要があります。

マットレスや枕など自分に合ったものを選び、夜中に寝返りをうつことなく朝までゆっくり眠っていられるようにすることが大切です。

出産後は、赤ちゃん第一でお母さん自身のことは後回しになってしまいがちです。でも、産後の時期に骨盤矯正をちゃんとしておくかどうかがその後の体調やスタイルに大きな影響を与えるのです。



今回のまとめ

1)骨盤とは何か

2)産後の骨盤の2つの変化とは

3)産後の骨盤を放っておく4つのリスクとは

4)産後の骨盤矯正の2つのトレーニング法

5)産後の骨盤矯正の6つのストレッチ法

6)産後の骨盤矯正 専門家へ頼る場合の3つのポイント

7)日常生活からできる骨盤の歪みへの3つの予防ポイント