背骨の模型を使って患者に説明するドクター

10人に1人が腰痛、職場で怪我の原因の60%が腰痛、そして慢性腰痛に罹っている人の実に80%がうつの可能性になりやすいとうデータがあるほど、腰痛はとても身近です。

単なる腰の痛みも重大な病気のサインである可能性があります。今回は腰の痛みから考えられる病気についてご紹介します。






腰の痛みから考えられる6つの病気!予防法とは


1)腰の痛みからくる病気の3種類の原因

腰痛、という病気はありません。腰痛は、腰が痛い、という症状を指す言葉であって、40代50代と加齢が進むに連れて、誰でも起こる症状だと、諦めている人がたくさんいます。

まずは、筋肉、骨、それ以外と、症状を見てみましょう。

(1)痛みの原因が、筋肉にある場合

美しい筋肉の成長を披露するスポーツ、ボディービル。男女問わず世界に愛好家がおり、毎月のように世界各地で選手権大会が開催されています。

ボディービルダーが、腕の筋肉をピクピクと動かしているところを見た方もいるでしょう。実は、筋肉は自分自身で力を入れ、大きく見せることも可能なのです。

手や足、体の骨格を動かしているのは、筋肉です。そして、体重の50%が骨格筋と呼ばれる、動かせる筋肉なのです。もともとは太さわずか0.1mmもの繊維の筋が骨に巻きついています。これが運動することで太くなり、骨を守ることにもつながります。

ちなみに、腰痛の原因が筋肉の場合は、突然重いものを持ち上げたときの痛みや、腰のひねり、久しぶりの運動の後に、足腰が痛いことでわかります。筋肉は使わない、つまり座りっぱなしで歩かなかったり、休みの日にごろごろしていると、すぐに細くなってしまいます。

筋肉の中にあるもの、それは神経です。もちろん腰周りにも神経の糸が張り巡らされています。運動をすれば、筋肉は収縮しますので、中にある血管にも血液と酸素がどんどん送り込まれます。

特に必要なのがブドウ糖。これが細いままの骨格筋ですと、行き渡るブドウ糖も酸素も量が少ないままで、不足してしまいます。

つまり、筋肉を鍛えれば痛みはなくなるわけですから、階段を歩く、ストレッチを毎日5分行うだけで、腰の痛みは解消するのです。

まずは、ストレッチで痛みを解消できるかどうか、それで原因が筋肉か否かが、判別できます。

(2)痛みの原因が、骨にある場合

ストレッチをしても、痛みが取れない場合、整形外科に見てもらうことになります。整形外科では、骨に異常がないかどうか、まずレントゲン撮影で、診断します。

ここで、気をつけたいことですが、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、などと症例が様々な名前で呼ばれていますが、それはあくまでもひとつの症状だ、ということを覚えておきましょう。

痛みはどこから来るのか、という点ですが、全ては神経を通って脳に行き着き、そこで痛さを感じます。つまり、神経が通っていない部分は、痛みを感じません。

爪を切ったり、髪の毛を切っても痛みはなく、椎間板にも神経は通っていないのです。ですが、椎間板ヘルニアの場合は、ひとつひとつの骨が縦に積み重なり、間に髄核 ずいかく というクッションがしっかりと挟まっていないことで、起こります。

骨と骨の間の髄核。これがだんだんすり減ってくると、だるま落としのように、ぴょこんと飛び出してしまいます。この髄核の出っ張りが、骨の外側、筋肉にある神経に触れた瞬間に、痛みが発生するわけです。

腰椎椎間板ヘルニアのような症状は、レントゲンでしっかり診断が付きます。ですから、神経を麻痺させるブロック注射や、あるいは飛び出た部分の切除などで、神経が触らないようにすれば、痛みは収まるわけです。

整形外科では、骨を見ているのではなく、骨と筋肉、そして痛みの部分からどのあたりの神経が接触しているのかを探ります。上手な整形外科では、撮影された画像から、的確に神経の接触部分を割り出します。

万が一、画像でも異常が見られない場合は、内臓疾患ということになります。

(3)痛みの原因が 筋肉と骨以外にある場合

さて、これまで筋肉には神経が通っていて、筋肉痛とは筋肉内の神経が圧迫されていることであることがわかりました。また、骨の異常で神経が押されてしまう、腰椎椎間板ヘルニアもお分かりになったと思います。

文頭で腰痛持ちの80%が うつになりやすい とあります。この原因は実は意外なものだということをご存知でしょうか。それは、便秘なのです。

実際にうつ病患者を調べてみると、実に75%が便秘に悩んでいたことがわかっています。排便されずに腸が肥大化してくることで、腸内はどんどん汚れていきます。ひどい場合は、腸内に送り込まれた老廃物が、逆流して全身の血管を巡ってしまうこと。

こうなると、脳内にも新鮮な酸素や血液が回らなくなり、常にぼんやりとした感覚であったり、頭痛などで苦しむようになります。気分が憂鬱なのは、便秘だからではなく、便秘によって、体内が汚れてしまうことへの脳の異常信号発信なのです。

では、腰の痛みと便秘の関係はどういうことでしょうか。それは、体の位置関係を見てみればわかります。

腸は腰に乗っかるように配置されています。13mもある腸を取り巻く筋肉は、どんどん重くなる腸を支えきれなくなります。

筋肉は鍛えることで、骨を守りますが、その骨は内臓を守っているのです。ところが、勝手に腸内に老廃物が溜まり、筋肉も必要以上の荷重に晒されて、だんだんと緊張しっぱなしになってくれば、中の神経もあちこちにぶつかることになってしまいます。

つまり、便秘は最悪、腰に負担をかけるどころか、あっちの病院でもこっちの整体院でも原因がわからず、おまけに気分もすぐれずに、ストレスから胃を痛めるケースまで出てきます。

Doctors have a discussion

2)左腰の痛みから考えられる6つの病気

(1)腎臓が原因で左腰が痛みが出る

・腎不全

急性腎不全は、細菌感染などで腎臓が炎症を起こす病気です。
子どもの感染が多いそうです。血尿がみられることもあります。
慢性腎不全の場合糖尿病・高血圧が原因になっていることが多く、疲れ・むくみ・貧血などの症状が出やすくなります。

・尿路結石

尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石がある状態です。日本では、腎臓と尿管に結石がある「上部尿路結石」が95%を占めています。自覚症状がない場合もあります。

(2)子宮が原因で左腰に痛みが出る

・子宮内膜症

20代〜30代の女性に増えている病気です。
子宮内膜の細胞が本来ない場所に組織を作ることを言います。 そこに血液がたまってしまい症状が現れます。

・子宮筋腫

30歳以上の女性で20〜30%にあると考えられています。子宮筋層内の平滑筋成分から発生し、女性ホルモン(エストロゲン)のはたらきによって発育する良性腫瘍です。
月経量が増える、レバー状の血の塊があるなどの症状が出ます。

(3)卵巣が原因で左腰に痛みが出る

・卵巣のう腫

卵巣内に液体や脂肪がたまってしまう、子宮の腫瘍ですが80パーセントが良性といわれています。卵巣内に液体や脂肪がたまってしまう、触るとやわらかい腫瘍です。

卵巣のう腫は、本来自覚症状はでませんが、大きくなってくると腰に痛みを感じるようになっていきます。 卵巣のう腫が小さいうちは腰の痛みはあまりありません。

・卵巣がん

卵巣がんの初期に症状は出てきませんが、不正出血や痛みが出てきた時にはすでに進行している可能性があります。

腫瘍が大きくなると、腸や膀胱周辺の神経を圧迫し、腰に痛みがでることがあります。

3)腰の痛みの右側・左側の違いとは

腎臓はおへそとみぞおちの間の高さの背中側にある臓器で、右側・左側の両方に1個ずつあります。肝臓は腎臓より少し上のお腹側にあり、みぞおちから右側の肋骨の裏に位置します。

そのため、腎臓が原因で腰が痛い場合は「右側・もしくは左側の腰痛」を感じることが多いですが、肝臓の疲れや病気が関係する症状の場合は「右の腰、背中の痛み」を感じるのです。

Stethoscope in hands

4)腰痛みからくる病気への4つの予防ポイント

(1)腰の位置を自分で把握する

腰を痛めないためには、何が必要なのでしょうか。実は腰の位置を自分で知っておくことが大事、ということなのです。

例えば、スカートのサイズ、ベルトの締め付け具合。腰周りを気にする人は多いのですが、お腹周りと下腹周りにもっと気をつかうだけで、腰の痛みは無くなっていくのです。

(2)お腹周りの脂肪に注意

男性の場合は、お腹周りに注意することです。よく、体脂肪を低く、という人がいますが、そうではありません。お腹を凹ませる方法を自然に行うことなのです。

(3)腹式呼吸を日々に取り入れる

その一番は腹式呼吸です。女性の下腹すっきりも同じ方法です。複式呼吸は鼻から息を吸い、鼻から出す。ポイントは仰向けに寝て、腰の下に枕を挟むことです。要は、腹式呼吸を自然にできるスタイル。

これを10分だけ毎日行います。寝る前でもできる簡単な方法ですが、腰の位置を本来の人間のあるべき位置に持ってきて、リラックスし、深く呼吸をすることで、全身に新鮮な血液と酸素を送り込むのです。

(4)食事と運動の改善

もちろん、食事や運動も大切です。ですが、自分の体は自分がよく知っていなければなりません。

リラックスした状態で、自分のからだのどこが痛いのか、それを探る状態にするのが、この腹式呼吸なのです。これを続けていれば、自然と自分の体の状態がわかってくるでしょう。






今回のまとめ

1)腰痛は病気ではない。原因は神経にある

2)筋肉に神経が通っている。だから、筋肉が衰えると、神経が接触して痛みが出てくることが多い

3)骨には神経は通っていない

4)便秘を直せば、腰の痛みはなくなる