妊婦がお腹に手を当てている

恥骨痛、というと男性には馴染みのない言葉ではないでしょうか。実際に女性の多くは恥骨部分が骨ではなく軟骨になっていることがわからず、何か危険な状態ではないか、と考えてしまうことがよくあります。

今回は臨月という重要な時期の恥骨痛の原因対処法をお伝えします。



臨月の恥骨痛の原因は筋肉のコリ?3つの対処法


1)臨月の身体の2つの変化

妊娠10ヶ月は36週に当たり、胎児の動きも活発になると、出産間近なことがわかります。頭は下にしてうずくまるような格好の胎児も、次第に母体の下方向に沈み込んで行きますが、結果として骨盤付近は大きな重圧を受けるようになります。

正常なら3,000gもの重石が子宮近くに構えているわけですから、当然妊婦さんの体型も変化が生まれます。その内容から見てみましょう。

(1)体重が増える

胎児は母体で成長して行きますが、36週前後には顎を胸につけて、体育座りのような格好で出産の時を待ちます。まるで繭玉のなかに閉じこもっているような姿で、頭を下に向けているのです。

おそらく、お腹が出ている妊婦さんにとっては、胎児の重みと重みを支えるための胎盤の成長のために、穀物や小魚などの栄養を取っているわけで、自然と体重が増えていきます。

ただ、その理由の一つには、胎児が腸を圧迫しているため、便秘になって体重が増えることがほとんどです。

(2)頻尿や尿漏れの現象もある

頻尿や尿漏れは、疾患ではありません。また、分娩異常でもありませんので、心配はありません。臨月の時期は胎児が安定期に入っていて、手足が暴れることもだんだんなく落ち着いていきます。

これは、胎児が動けるだけの 部屋 が母体にはなくなっていることを意味しています。

ただ、今まで心臓や肺を押していた胎児が、子宮の方向に下がっていることから、自然と恥骨や太ももの付け根が圧迫されていくのがわかります。

頻尿や尿漏れは、胎児のいたずら、と考えても差し支えないのです。

2)臨月の恥骨痛の症状と原因

(1)骨盤から下、恥骨や坐骨はたくさんの筋肉で覆われている

恥骨が痛い、とはどういうことでしょうか。よく陣痛と恥骨痛を同じものと勘違いしている妊婦さんがいますが、これは全く違います。

恥骨は骨盤から腸骨、恥骨、あるいは腸骨から坐骨と円を描くようにつながっていく骨の中で、体の前面部に位置しています。

いわゆる隠毛部分の膨らみが恥骨部分で、ここは例えてみれば自動車のハンドルの一番手前側です。ハンドルは見事な円形ですが、最近は楕円のものも見られます。

恥骨部分はハンドルを握る10時10分部分から、下に左右方向から降りてきて、一番下の部分になりますが、ここは最後に軟膏になっており、恥骨結合と呼ばれています。

この部分は筋肉がしっかりと骨を防御していますので、胎児をしっかりと守ることができるのです。

Doctors have a discussion

(2)恥骨結合部分が痛いのは、筋肉の痛み

坐骨や恥骨は胎児の動きや重さに耐えるために、筋肉は幾重にも取り巻いています。それでも、成長した胎児の重さに歩くのも大変な方は、腹巻をつけてみたりベルトをしてみたりするでしょう。

これは、筋肉の張りが推定以上に伸びることで、神経が引っ張られる、つまり痛みを回避するには大変よい効果があります。

ぜひ知って頂きたいことですが、産科の医師は、妊婦の健康状態と胎児の成長度合いをチェックすることで、未然の事態に備える、という役割があるということです。

切迫流産の場合はどういった処置をするのか、あるいは未熟児出産への処置はどのようなものがあるのか、NICUはどこにあるか、といった安全弁を確保することも行っています。

ですが、実際に母体のことを知り尽くしているのは助産師さんです。看護師の中でも、助産師は全国で8,000名ほどが助産院で勤務し、看護師兼任が2.8万人と言われています。

看護師全体では、150万人ですから、わずか2%ほどです。ですから、助産師にカラダについてよく尋ねておくことが一番適しているといえます。

(3)臨月での恥骨痛の原因は「筋肉の凝り」

恥骨痛は、軟骨部分が外れてしまう場合に、キリキリする痛みとなります。痛みの原因は全て神経を通って脳に行き着くことで、痛いよという指令が発せられることが始まりです。

ですから、離れてしまった恥骨と恥骨の間が問題なのではなく、その周りの筋肉をリラックスさせることが、痛みを和らげます。

筋肉は何でできているのでしょうか。簡単にいえば、血管が幾重にも通っている部分ですから、血液が順調に流れていれば、筋肉は硬く張り詰めることはありません。

ところが、恥骨痛は筋肉が硬くなっていることが大きな原因です。筋肉を使っているのは、胎児の重みでしょうか。実は違うのです。出産前のプレッシャーは大変なものです。

陣痛の痛さで響く金切り声などを想像し、いつの間にかパニックになっている妊婦さんは、全身の筋肉が硬直してしまいます。

ですから、軟骨である恥骨結合部分が離れてしまうほど、筋肉が硬直してしまうのです。

3)臨月の恥骨痛を治す3つのポイント

(1)血流改善

痛みを治す、とはいっても足に触れるだけでも激痛が走るほど。ですから、まずは足の指先を動かすことから始めましょう。

大事なことは、血流をよくすることです。ぬるめの風呂に入る、アロマオイルを塗る、こういった行為はすべてリラックスのために行います。

(2)筋肉を休ませる

ですから、臨月だ、と気負わないような環境で過ごすことが必要です。ご主人やご両親の協力、子供がいる場合は極力代わりに世話ができる人に頼み、気分が休まるような格好で時を待ちましょう。

(3)筋肉への栄養素

全ての疾患に共通していることですが、これは出産に関しても関係あることです。人間が生きているみなもとは、血液と酸素。そして水分です。これが血管をまず循環していくこと。その次に栄養分の摂取です。

 恥骨痛は自分の力で治すことができます。できなければ、出産時の激痛には耐えられるはずもありません。ですから、普段から、予防の意味も込めて、助産師さんのケアで乗り越えていきましょう。

参考に『妊娠中の恥骨痛への3つの対処法!』こちらもご一読ください。



今回のまとめ

1)妊娠36週、体重が増えて胎児の活動は穏やかになる

2)頻尿や尿漏れが起こる場合がある

3)恥骨は、骨盤からお腹の方にかけてぐるりと囲む骨の一番前面側にある

4)恥骨はその真ん中が軟骨になっており、痛い場合はそこが外れている

5)恥骨痛は、軟骨部分の筋肉が硬直していることから起こる

6)臨月は、出産前の緊張感で筋肉が硬くなっている。できるだけ血流をよくする

7)リラックスするとともに、足の指を動かすなどの方法を行う