医者のカルテ

腰が痛い原因は、右側・左側・中央など、場所によってもその原因は異なってきます。場所や痛み方の違いにより、内臓疾患の恐れもあるのが腰の痛みなのです。

今回は腰が痛い場合の原因、検査方法や治療方法をお伝えします。



腰が痛い6大原因!対処方法・病気の可能性とは


1)腰が痛い場合の8つの種類と見分け方のポイン

腰痛の原因は様々です。特に最近では腰痛の8割が原因不明とも言われています。そんな腰痛ですが腰が原因かそうでないか見分ける方法があるといいます。

通常、腰が痛い場合、腰に原因があると思ってしまいますが、腰が原因ではないことも結構あるといいます。

ではどうやって見分ければいいのか。その見分け方のポイントが「姿勢」です。腰痛には姿勢によって痛みが変わるものと姿勢に関わらず痛むものがあるといいます。

姿勢によって痛み方が変わる腰痛は腰に原因があることが多いといいます。

(1)腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの場合は、前屈みになると痛みにが増します

(2)腰部脊柱管狭窄

に前屈みになると痛みが軽減されるといいます。

姿勢と関係なく痛みがある場合は腰以外に原因があることが多いといいます。原因は、大きく2つ考えられ胸の骨と内臓が原因の可能性が考えられるといいます。

(3)胸椎

胸椎は姿勢に影響されにくく、ここに脊髄を圧迫することがあると姿勢に関係のない痛みが出ます

(4)内臓疾患

ちょっと怖いですが内臓の病気で腰痛が起きることもあるといいます。主な臓器が、胃、腎臓、肝臓、すい臓、子宮などが挙げられます。

痛む場所は、主に悪い臓器の近くが痛むことが多いそうです。また内臓が原因の腰痛の場合は、腰痛の他にも症状が出ることが多いです。

(5)すい臓の病

腹痛、吐き気、食欲不振

(6)腎臓の病

むくみ、血尿、発熱

(7)肝臓の病

疲れやすい、黄疸

(8)子宮の病

下腹部痛、不正出血など

以上のように腰痛にも原因が異なります。病院で診てもらう場合、腰痛の以外の症状も関係ないと思っても医師に伝えることが大切となります。

2)腰が痛い6大原因とは

(1)筋肉疲労

筋肉疲労による腰の痛みは疲労性腰痛や筋・筋膜性腰痛と呼ばれることもあります。これは同じ姿勢を続けることで背中にある脊柱起立筋が疲労して血流が悪くなり起こると言われています。

特に注意が必要な場面は椅子に座って長時間同じ姿勢で仕事を続ける際や立ったり中腰での作業を続ける場面です。

筋肉疲労による腰の痛みを予防するためにはこまめに姿勢を変えることが大切です。たとえ数十秒でも良いので小まめに背伸びをしたり体操をすることが筋肉疲労を予防する上で大切です。

(2)筋力低下

腹筋や背筋の筋力低下により腰の痛みを招く場面もあると言われています。腰には腰椎と呼ばれる5つの背骨がありますが、腰椎は背筋や腹筋がきちんと働くことで正しい位置に保たれると言われています。

しかし、腹筋が筋力低下を起こし、背筋が過剰に働いている場合は腰椎が過剰に反り返ってしまい痛みを招くケースがあります。

また、背筋も腹筋も弱ってしまっている場合は腰が曲がってしまい猫背のような姿勢になってしまい痛みを招くこともあります。

(3)ストレス

ストレスも腰の痛みの原因になると言われています。ストレスが原因で起こる腰痛は非特異的腰痛と呼ばれますがこれは全体の 85%を占めていると言われており腰痛の方の中でも非常に多い原因の一つです。

長期的なストレスは脳機能に不具合をもたらし腰痛を招くと言われています。ストレスを長い間感じるとこれまで脳で分泌されていたドパミンやオピオイドという物質の分泌が低下しますがこれらは痛みを抑える作用があると言われています。

仕事や人間関係のトラブル、腰痛に対する不安や恐怖がある場合は注意が必要です。また、ストレスに加えて髄核にずれがある際に腰痛が起こるとも言われています。

髄核とは背骨の間の椎間板の中心にあると言われていますが姿勢の悪い方はこの髄核の位置がずれやすいと言われています。

そして、元々の髄核の位置のズレにストレスが合わさって腰痛を発症するとも言われています。

(4)寝方が悪い

寝方が悪いと腰の痛みを強める可能性があります。特にマットレスの固さは腰痛に関係していると言われています。

固いマットレスで寝ることは腰痛を悪化させるのに対して適度な固さのマットレスは痛みの軽減などにつながるという研究があります。

また、ウォーターベッドや身体に適合するようなマットレスも腰の痛みに対しては有効という意見があります。

寝ている間に腰が痛くなるという方はマットレスの固さを一度見なおしてみるのもありでしょう。

(5)寝不足

寝不足は腰の痛みを強めると言われています。

サウジアラビア・ダンマーム大学の研究では睡眠不足は腰痛を強めてしまい、腰痛を発症した後の痛みの経過に深く関係していると発表されています。

(6)体が硬い

身体の硬さも腰痛を招くことがあると言われています。特に背筋や脚の筋肉が固くなり柔軟性が低下している場合は腰の痛みを招く原因になると言われています。

柔軟体操やウォーキングなど適度に運動を行い身体の硬さを予防することが腰の痛みの予防にも大切です。

Patient tells the doctor about her health complaints

3)腰が痛い場合に考えられる6つの病

(1)腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは腰にある椎間板と呼ばれる箇所が破裂して起こります。椎間板とは腰の骨の間にありクッションのような役割をしていますがその中心にある髄核と呼ばれるものが出てきて神経を圧迫してしまうことがあります。

腰椎椎間板ヘルニアになるとひどい場合は腰の痛みだけではなくお尻や脚の痛み、痺れ、脚の脱力感などを招くことがあります。

特に症状が脚まで広がっている場合は神経へのダメージが大きい可能性があるので必ず病院を受診するようにしましょう。

(2)骨粗鬆症

骨粗鬆症になっていること自体に無自覚な方もいらっしゃいますがその一方で骨粗鬆症がきっかけで腰の痛みを招く方もいらっしゃいます。

骨粗鬆症は骨がスカスカになってしまい骨折などが起こりやすい状況です。骨粗鬆症により起こる腰の痛みには 3 種類あるといわれています。

一つ目は骨粗鬆症がきっかけで腰の圧迫骨折などを起こした場合、二つ目は小さな骨折を繰り返し背骨の変形を招いた場合、そしてもう一つは背骨の変形などで重心が不安定になり慢性的な筋肉痛を招いてしまっているケースです。

また、痛みがあるからと動かないとますます骨がもろくなり筋肉も弱るので痛みも強くなります。骨粗鬆症の場合は薬などで骨を強くし、適切な運動を行い骨の強度の改善や痛みの軽減を図ることが大切です。

(3)ぎっくり腰

ぎっくり腰は医学的には急性腰痛症と呼ばれます。重いものを持ち上げた際や腰をねじった時の衝撃で腰の骨や骨の間にある椎間板、筋肉、靭帯のいずれかが損傷してしまい痛みを招くと言われています。

基本的にはぎっくり腰は安静にしていれば数日~数週間で改善すると言われています。ただし、ぎっくり腰の中には危険な病気が隠されているものもあります。

腰だけではなく胸の痛みがある場合や脚の痛みや痺れ、排尿・排便困難、安静時の強い痛み等がある場合は必ず病院を受診するようにしましょう。

(4)更年期障害

更年期障害とは 45~55 歳前後の女性に特有の疾患です。閉経に伴いエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が急激に低下してしまい心身ともに様々な不調を招くと言われています。

代表的な症状としてはのぼせがありますが、腰痛も更年期障害で現れる症状の一つです。更年期障害で腰痛が起こる原因には様々なものがありますが注意が必要なものに更年期障害が原因ではなく背景に卵巣嚢腫などの疾患が関係している場合です。

卵巣嚢腫はほとんどの場合は良性腫瘍と言われていますが放置するとお腹の張りやトイレが近くなったり、便秘になったり様々な症状を招くケースがあります。

また、更年期になってから腰痛がヒドい場合の原因として閉経後骨粗鬆症が隠れているケースも有ります。更年期になってから辛い腰痛に悩まされているという場合は一度婦人科を受診してみましょう。

(5)腰痛症

腰痛症にはぎっくり腰の項目で述べたような急性腰痛症と 6 か月以上持続する慢性腰痛症があります。

腰痛症とは腰痛を招く様々な疾患を総称して呼ぶ名前であり腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、椎間関節症、背骨の手術などが背景にあり腰痛症を招くと言われています。

(6)尿道結石

ここからよく見られる内臓疾患について少し補足を加えて説明します。一つ目は尿道結石です。尿道結石とは尿道に結石ができることで起こると言われています。

結石により尿の流れが阻害され腰や背中、脇腹に激痛を起こしたり血尿が出ることがあると言われています。

また、痛みは早朝や夜間に起きることが多く 3~4 時間持続するとも言われています。

4)腰が痛い場合への対処法!2種類のストレッチ

(1)腰を丸める運動とねじる運動

最初のストレッチは脚を曲げて腰を丸めることで太ももの裏や腰をストレッチする運動です。残りの 2つは脚を左右に倒して腰をストレッチする運動です。

腰を捻る運動は腰が痛い時は痛みが出やすいので難しい場合は無理せず一つ目の腰を丸める運動だけにしておきましょう。

また、両脚を抱えると腰が痛いという場合は片脚ずつ抱えて腰をゆっくりと丸めるようにしてみましょう。

(2)腰返り&腰伸ばしストレッチ

(各 15 秒間キープ×5 回)×2~3 セット

腰反り&腰伸ばしストレッチは正しく行うと腰の痛みが軽減する場合があります。ただし、腰を反らす際に無理に行うとかえって腰痛を悪化させてしまいかねないので痛みが少ない範囲で行うようにしましょう。

特に実践後、かえって腰が痛くなった場合は方法を間違っている可能性があります。痛みを強めてしまった場合は医師や理学療法士などの専門科に一度相談してみましょう。

Doctor and surgeon looking at a computer

5)腰の痛みがひどくが気になる6つのチェック項目

最後に腰が痛い時の対応について紹介しておきます。基本的に腰が痛い時は病院か整体に行かれる方が多いですが、中には絶対に病院に行ったほうが良いケースもあります。それが以下の 6 つの場合です。

(1)2~3 日の安静でも効果がない

(2)安静にしていても腰に痛みがある

(3)脚にしびれや痛み、感覚の鈍さや変な感覚があ

(4)脚に力が入らない

(5)排尿障害がある

(6)高齢で骨粗鬆症を患っている

以上の 6 つに当てはまる場合は何か重大な疾患が隠されている可能性があるので整体ではなく必ず病院を受診してしっかりと検査を受けるようにしましょう。

6)どんな専門家へ受診するべきか

腰痛には、骨・関節・筋肉の損傷が原因になっているもの、内臓疾患が影響しているもの、心因性のものなどがあり、それぞれで専門の科が異なります。

腰部の骨・椎間板・関節・筋肉の損傷が原因の場合は整形外科、心因性の場合は心療内科や精神、内臓疾患が原因の場合は内科が適しています。

ただし、腰痛がどこから来ているものかは自分では判断できないので、まずは整形外科を受診し、原因を特定することから始めましょう。

ある程度原因が特定されたら、それぞれの専門科へ紹介してもらうことになります。なお、心因性の腰痛であると診断された場合は、整形外科と心療内科・精神科の両方に通うことをおすすめします。

整形外科では、消炎鎮痛剤などの薬物療法により、腰の痛み自体をやわらげる治療が行われます。

心療内科や精神科では、心理療法やカウンセリング、抗不安薬などの薬物療法により心のケアを行い、腰痛を起こしている根本要因をなくすようアプローチしてくれます。

内臓の疾患が原因になっている場合は、まずは原因となる疾患の治療が先決となります。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

7)治療後の4つの生活習慣のポイント

腰痛を再発させないためには、関節や筋肉、靭帯など、日常生活のなかで腰周辺の部位に負担がかからないよう工夫をすることが大切です。

以下に、そのポイントをまとめました。腰に負担をかけない姿勢を心がける脊椎の自然な S 字カーブを保てる立ち方、座り方を維持しましょう

(1)寝具選び

S字カーブを保てる寝具を使用することも大切です。重いものを持ち上げるときは全身に力を分散させる腰を曲げて腕の力だけで物を持ち上げようとすると、腰に大きな負担がかかります。

(2)日常生活で膝や関節を意識

ヒザ関節や股関節、腹筋・背筋を上手に使いながら、負担を分散させましょう。くしゃみをする際は体制に注意するくしゃみによるぎっくり腰の発症は、よくあることです。

可能ならば、ヒザを軽く曲げてヒザに手をつき、腰を伸ばした状態でくしゃみをしましょう。腰への負担が最低限で済みます。

(3)同じ姿勢を長時間続けない

また、洗面台で身をのり出す際も、片手をついて自分の体重を支えるようにするとよいでしょう。腰のひねりに注意する腰をひねったまま前後に曲げると、大きな負担がかかります。

同じ姿勢を長時間続けない長時間の同じ姿勢も、腰に大きな負担をかけます。立ちっぱなし、座りっぱなし、中腰の姿勢を続ける仕事などの場合は、1 時間に 1 度は休憩を入れ、ストレッチを行いましょう。

(4)軽い筋力トレーニング

腹筋と背筋を強化する軽いウォーキングや筋力トレーニングなどで、背骨を支える腹筋と背筋を鍛えましょう。ただし、無理をすると逆効果になることがあるので、できる範囲で行ってください。

8)腰の痛みへ未然にできる5つの予防ポイント

(1)徐々に動かす

以前は腰を痛めれば安静が一番と言われていましたが現在は決してそういうわけではありません。腰痛には原因がはっきりしない非特異的腰痛と坐骨神経痛などによる痛みや痺れなどはっきりと原因の特定できる特異的腰痛があります。

そして、特異的腰痛の場合は安静にした場合も積極的に動いた場合も痛みは変わりませんが、非特異的腰痛の場合は腰痛の程度に合わせて動かしたほうが痛みが早く軽減すると言われています。

膝下の強い痺れや排尿・排便障害が無い場合の多くは非特異的腰痛と言われています。また、腰痛の方全体の内、約 85%が非特異的腰痛とも言われています。

つまり、腰が痛いほとんどの方は安静にしているよりも徐々に動かした方が良くなる可能性があると言えます。

(2)タオルを温めて腰に乗せる

蒸しタオルなどで腰を温めることも有効という意見があります。ただし、これも腰痛の状態によりその効果は変化します。

ぎっくり腰などで最近腰痛になったという方の場合は温めることで痛みが軽減することがあります。また、発症後 3 か月以内であれば温めることに加えて運動をすることで腰の痛みが改善するとも言われています。

一方で慢性的な腰の痛みがある方は温めることで大きな痛みの改善は期待できないと言われています。

ただし、一般的には腰が熱を持っていたり腫れている場合に温めるとより痛みが強まることがあるので温めるタイミングには注意するようにしましょう

(3)コルセットなどを巻く

コルセットやさらしなどを巻くことは以前は効果的と言われていましたが現在はその効果が疑問視されてきています。

コルセットを巻くことで動作が楽になり職場復帰ができるようになったという報告がある一方でコルセットは職場復帰を遅らせるという意見も存在します。

また、コルセットを巻くことで痛みを緩和する効果はないとも言われています。ただし、病状によってはコルセットが必ず必要になることもあります。

コルセットを使用する場合は医師に相談していつまで着用するかを決めるようにしましょう。

(4)ぬるめのお風呂に入る

温めたタオルの際と同様に急性腰痛であればお風呂で温めることも効果があると考えられています。しかし、慢性腰痛の場合はただお風呂に入るだけでは根本的な改善にはつながらないとも言われています。

また、急性腰痛でも痛めた箇所が腫れ上がり熱を持っているような場合はかえって痛みを強める可能性があるのでその間は温めることを避けたほうが良いでしょう。

一方で腰痛には冷えが関係している場合があるという意見もあります。冷え症の方は一度ゆっくりとお風呂で温めてみても良いかもしれません。

に半身浴はじっくりと身体を温める効果があるのでみぞおちよりやや浅い程度のお湯に 20~30 分間じっくりと浸かるようにしてみましょう。

(5)ビタミンやミネラルなどの栄養補給

筋肉の疲れで腰の痛みが起こっている場合はビタミン B1 やビタミン E を補給すると効果的と言われています。

また、筋肉を強化するたんぱく質や骨を強化するためのカルシウムもしっかりと摂るようにしましょう。

ただし、たんぱく質は動物性のものを摂り過ぎないように注意が必要です。



今回のまとめ

1)腰が痛い場合の8つの種類と見分け方のポイント

2)腰が痛い6大原因とは

3)腰が痛い状態が続く場合に考えられる8つの病気

4)腰が痛い場合への対処法!2種類のストレッチ

5)腰の痛みがひどくが気になる6つのチェック項目

6)どんな専門家へ受診するべきか

7)治療後の4つの生活習慣のポイント

8)腰の痛みへ未然にできる5つの予防ポイント