考えているナース

膝痛の原因として考えられる疾患は多種多様であり、その原因が複雑に影響しあっている場合もあります。

たとえ事故などによる外傷がなかったとしても、老化により障害が発生しやすい部位でもあります。今回は膝痛の原因や考えられる病気の可能性、対処方法をお伝えします。



膝痛が続く・・!考えられる4つの原因と病気の可能性とは


1)膝痛の4つの種類と見分け方のポイント

(1)外傷

スポーツ、怪我、事故など、はっきりとした自覚できる原因がある場合の疾患になります。

半骨盤損傷、前十字靭帯損傷、側副靭帯損傷、ガ足炎、関節ねずみなど、多様な種類が存在します。

外傷の場合は、なにか発症の契機となる事故や衝撃、スポーツがあるはずのなので、そのことも含めて医師に相談するようにしてください。

(2)変形性膝関節症

加齢により膝の軟骨がすり減り、半月板などが損傷をして痛みを感じるようになります。

すり減った軟骨が蘇生をすることはありませんが、リハビリなどをして足の筋肉を鍛え、歩き方を改めることなどで症状をある程度緩和することは可能です。

(3)リウマチ

患者数の七割が女性という、女性に多い疾患です。

自己免疫疾患で、関節の腫れや痛みからはじまり、進行すると関節の周囲が変形したり破壊されたりします。

(4)膝以外に原因がある場合。

風邪などウイルス性の疾患、リウマチや痛風、足や股関節の疾患、腰の神経痛など、膝以外の疾患が原因となって膝に痛みを感じることがあります。

膝だけを診察しても原因がわからない場合は、他の場所のことも視野に入れ、より広い範囲も視野に入れて調べてもらうようにしましょう。

2)膝痛の4大原因とは

(1)加齢による骨の摩耗や劣化

膝は体重による負荷を分散し、体のバランスをとるのに重要な役割を果たす部位です。

最大で体重の10倍近い負荷がかかる部位であるために骨や軟骨の劣化も起こりやすく、老化による関節の破壊・変形、痛みが見られやすい箇所になります。

膝関節の骨や軟骨がすり減ったりもろくなって変形したりする変形性膝関節症、ひざの皿と太ももの骨による関節に炎症が起こる膝蓋大腿関節症、ひざに衝撃を受けると、ひざの皿がすぐに脱臼しやすくなる膝蓋骨不安定症などがあります。

(2)外傷

スポーツ、怪我、事故などが原因となった疾患群になります。

・板損傷

膝関節でクッションの役割を果たす半月板に大きな負荷がかかり、欠けたり断裂したりする半月板損傷

・靭帯損傷

靭帯の一部が傷つき、裂けたり破けてしまう靭帯損傷

・腸脛靭帯/膝蓋腱炎症

膝の使いすぎが原因となって発生する、腸脛靭帯、膝蓋腱炎症。それが重体化した膝蓋腱断裂、離離性骨軟骨炎などの種類があります。

(3)病気や生体機能の異常

骨や軟骨にできる腫瘍、炎症を引き起こす細菌によるウィルス性疾患などが原因となって膝が痛むことがあります。

風邪、骨軟骨腫、内軟骨腫、骨肉腫、軟骨肉腫、関節リウマチ、変形性股関節症、痛風などがこれにあたります。

(4)複合的な原因によって起こる異常

スポーツ障害、事故、加齢、病気など様々な原因が複合的に関連して発症する場合があります。

関節の骨や軟骨が一部欠けたりはがれたりして、破片が関節内を動きまわる関節ねずみ、関節内にある「関節液(滑液)」の量が異常に増える関節水腫などがこれにあたります。

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3)膝痛が続く場合に考えられる3つの病気

(1)変形性膝関節症

ひざ軟骨が摩耗することが原因となって起こります。

初期状態であれば少々磨り減っても痛みがないため自覚症状もありませんが、進行すると骨同士がぶつかるため腫れや痛みが生じます。

膝を動かすと痛みを感じる、膝の曲げ伸ばしがつらくなるなどの症状があります。

筋トレなどで大腿部の筋肉を鍛え、膝への負担をかるくすることである程度は症状を緩和することが可能ですが、一度すり減った軟骨は元には戻らないので注意が必要となります。

(2)半月板損傷

半月板は、大腿骨と脛骨の間にある三角形の軟骨のことをいいます。

関節の安定性を保ちつ、大腿部から受ける体重の負荷を分散し衝撃を吸収するクッション材のような役割を果たしています。

この半月板がなんらかの原因で損傷することを、「半月板損傷」と呼びます。痛みの他に膝の曲げ伸ばしがしにくいといった自覚症状があります。

膝を酷使するスポーツや、日常生活の中で膝を間違った方向にひねったりすることが原因で発生します。

(3)関節水腫

 関節内には通常「関節液(滑液)」と呼ばれる少量の液体が存在しています。無色透明で粘り気があり、関節がスムーズに動くための潤滑油のような働きをしています。

この関節液は関節内の滑膜という部分で作られていて、滑膜は新しい関節液を作りながら古い関節液を吸収しており、通常、関節液の量は一定に保たれています。

様々な原因により滑膜組織に炎症が起こると、滑膜から関節液が過剰に分泌されるようになり、この結果、ひざの水(関節液)が過剰になり、膝の皿の上部に水が溜まります。

滑膜組織の炎症は、加齢に伴う骨の劣化、変形性膝関節症や全身の関節に炎症が起こる関節リウマチや痛風、運動中のケガや事故による外傷・骨折など、多様な原因によって起こります。

4)膝痛のへの対処法!6つのツボ押し

膝痛のうち、内側の痛みには内膝眼と三陰交、外側の痛みには外膝眼と足三里、全体の痛みには委中と湧泉がそれぞれ効くとされています。

症状を感じる部位により、それぞれに対応するツボを試しみてましょう。

また、効果には個人差があります。痛みがかえってひどくなるような場合には、すぐに中断してください。

(1)内膝眼(うちしつがん)

膝の皿の直下、内側にあるくぼみにあるツボになります。

(2)三陰交(さんいんこう)

足の内側で、くるぶしに小指を置いて手を上の方向に当てたとき、人差し指が当たる高さで骨の少し後ろに位置するツボのことをいいます。

親指の先を使って、強く押しこみます。

(3)外膝眼(そとしつがん)

膝の皿の直下、外側にあるくぼみに位置するツボです。

(4)足三里(あしさんり)

足の表側で向こうずねの縁の少し外側、親指をすねに当てたときに小指が当たるところに位置するツボです。

親指の先で、強くすり込むように押しこみます。

(5)委中(いちゅう)

膝関節の裏側、シワの真ん中に位置します。強く刺激します。

(6)湧泉(ゆうせん)

足の裏にある「人」の字状の筋の交点の内側にできるくぼみの部分を、強く刺激します。指を使ってもいいですが、青竹やゴルフボールを利用すると便利です。

Man having leg massage

5)膝痛がひどくが気になる場合の検査方法

(1)痛みが激しい・痛みが続く場合は専門家へ

どこかにぶつけた、あるいは捻ってからなど、はっきりとした原因を自覚できる場合、痛みが激しいようだったらすぐに医師の診断を受けてください。

痛みが激しくなくても、二、三日様子をみていた痛みが引かないようだったら、やはり医師の診断を受けるようにしてください。

(2)先ずは整形外科を受診

痛みが長期に渡る慢性的なものだった場合、何度も痛みがぶり返すような場合も、医師の診断と治療が必要となります。

まずは通いやすい場所にある整形外科医の診断を受けるようにしてください。その後の診察結果によっては、別の専門医を紹介されることがあります。

6)膝痛への未然にできる4つの予防ポイント

(1)膝に負担をかけない歩き方を心がける

ひざを伸ばし、かかとから着地し、つま先で後ろへ蹴る歩き方をこころがけます。歩幅が狭かったり、膝をまげたまま歩いたりすると膝への負担が大きくなります。

(2)肥満気味の人は体重を減らす

過度な体重も、やはり膝の負担を増やす原因となります。

(3)全身の関節を柔軟に

肩や腰、ひじ、ひざなどを冷やさず、同じ姿勢を長く続ける場合には、合間にストレッチなどをして関節を柔らかくします。

(4)足元に不安がある場合は、ステッキを使う

両足以外に体重を預けるものがあると、負荷が分散されます。また、心理的な安心感も得ることができます。



今回のまとめ

1)膝痛の種類としては、外傷、変形性膝関節症、リウマチ、それ以外の4種類が考えられます。

2)老化による骨の摩耗や劣化を原因とする例が一番多く、事故やスポーツによる外傷やリウマチ、膝以外の疾患が原因になる場合などが続きます。

3)膝痛が続く場合に考えられる病気として、変形性膝関節症、半月板損傷、関節水腫などがあります。

4)それらの疾患が複合的に影響しあっている場合もあり、痛みが激しい場合や長く続く場合は早めに整形外科医の診断を受けるようにしてください。

5)全身の関節を柔軟にし、膝へかかる負担を軽減することによってある程度予防することが出来ます。