足の診断を行うドクター

足の外側の痛みには打撲や筋肉痛などがありますが、それだけではない痛みが生じることがあります。また、部位による痛みの違いもあります。今回は足の外側の痛みから考えられる原因・考えられる病気の可能性・症状・対処方法をお伝えします。



足の外側の痛みはなぜ現れる?6大原因と対処方法とは


 1)どんな症状が現れる?足の外側の痛みの代表的な症状とは

(1)足の甲の外側が痛い

ちょうど小指の付け根辺りに痛みが生じます。ビリビリ、ズキズキするような、圧迫されるような違和感のある痛みです。放置していても痛みが解消せず、歩いたり動かしたりするたびに痛みが増します。

(2)足のすね・ふくらはぎの外側が痛い

走ったり跳ねたりした時に、張っているような痛みが生じます。あまりにひどい時は、歩く時でも痛みが生じます。特にふくらはぎには筋肉が多めについています。筋肉痛のような2、3日で解消するものなど一時的な痛みでなければ、整形外科へ行くことをおすすめします。  

(3)足の腿の外側が痛い

しびれや熱を持った痛みが生じます。ちょうど足の付け根辺りから腿にかけて起こります。

2)原因は何?足の外側の痛みで考えられる6大原因とは

(1)短腓骨筋腱付着部炎(たんひこつきんふちゃくぶえん)

聞きなれない名前かと思われますが、これは足の小指の付け根辺りに位置する、触るとぽっこり膨れたような骨の部分です。この部分に炎症が起きてしまう症状です。これは「靴のサイズが合わない」「体の重心が外へ行きがちである」「走ることが多く、足の指の付け根に衝撃を与えやすい」ということが原因として挙げられます。

(2)疲労骨折

足の部位にかかわらず、酷使による骨への負担によって起こる痛みです。通常の骨折のように折れてしまうのではなく、ひびが入っている状態です。患部によっては腫れや熱が伴うことがあります。

(3)シンスプリント

足のふくらはぎにある筋肉と骨がくっついている骨膜部分の炎症です。すねやふくらはぎの外側が痛い場合に考えられる原因です。この痛みを我慢してしまうと、上記(2)の疲労骨折につながってしまいます。

(4)腓腹神経麻痺(ひふくしんけいまひ)

知覚神経である「腓腹神経」は、腰にある坐骨神経群から足の外側を通る神経です。特にふくらはぎの外側から足の指にかけての部分となり、ここにしびれるような違和感を感じさせます。きつい靴下のゴムやサポーターでふくらはぎが締め付けられると圧迫によって起こりやすくなります。この症状がひどいと、足垂という「足の筋肉を動かせず、足を引きずるような歩き方になる」という現象が起こります。

(5)大腿外側皮神経痛(だいたいがいそくひしんけいつう)

足の太ももの外側で生じる痛みの原因です。足の付け根辺りを走る神経が、外部からの力によって圧迫されると起こりやすくなります。たとえば、デスクワークでの座り仕事が多いことや、肥満によって筋肉と脂肪の動作から受ける神経への圧迫負担が大きくなることが挙げられます。

(6)肉離れ

スポーツをしていると起こりやすいと思われますが、そうでない場合でも、日常のちょっとした「ベッドから降りる」「荷物を持ち上げる」などの動作でも起こるものです。とっさの動作の時に痛みが起こったのであれば、この可能性が高まります。

Medical doctor woman looking in clipboard

 3)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

(1)椎間板ヘルニア

腰痛の人に多い病気です。ヘルニアとは「骨と骨の間に存在するクッションがつぶれて横に出てしまい、それが神経に触れることで痛みが発生する」というものです。その神経の痛みが足に伝わり、足がしびれるという症状を引き起こします。腰には「腰椎(ようつい)」と呼ばれる脊椎が存在し、ここにヘルニアが発生すると腰痛の症状が現れますが、足全体のしびれも現れます。

(2)坐骨神経痛

過去に尾てい骨周辺への強い打撲の経験がある場合に起こる症状です。これは、ヘルニア同様に「腰から足の先にかけてしびれや痛みを伴う症状」が起こります。足のしびれのほかに、腰に何かしらの症状や違和感を感じる場合は、この可能性が考えられます。

(3)動脈硬化

体を動かす時には、足の筋肉への血流が十分でなくてはなりません。血液の循環にトラブルが生じていると、足への痛みにつながる可能性があります。酸素を含んだ血液を体内へと輸送する動脈がコレステロールの付着などによって固くなり、狭くなってしまうものです。この病気は、高脂血症や肥満、高血圧症の人に起こりやすいものです。また、放っておくと心筋梗塞や脳梗塞になってしまいます。

 4)試せる処置はあるの?痛みへの対処方法とは

(1)テーピング 

(2)ストレッチ

各部位に適用可能ですが、自己判断で行うよりは整形外科医などの適切な指導の下で行うと安心です。

(3)患部を冷やす

慢性的な痛みではない場合は、氷を入れた洗面器や袋に入れた氷で10分ほど患部を冷やすことをお勧めします。

(4)足を休める

痛みがある以上、何かしらのトラブルサインであるため、足を必要以上に動かさずに休ませることが大切です。

5)治まらない場合は専門家へ!行われる可能性のある検査方法

(1)レントゲンやMRIなどの画像診断

最も一般的に行われる初期段階の検査は、レントゲンです。もしも、骨に異常がある場合は、それが原因で神経に異常をきたしている可能性があります。ただし、疲労骨折の場合はレントゲンでは映りにくいことがあります。費用は約2000円前後になります。もしもレントゲンに異常が見られない場合、さらに詳細に検査できるMRIを利用することになります。また、打撲や骨折のような外的な要因が見当たらない場合も、神経内科での受診がより詳しい検査を行うようになります。

脳疾患の疑いがある場合は、脳神経外科での受診と検査を行うようになります。MRIはレントゲンよりも精密な検査になるため、注射での造影剤の投与が行われます。検査における所要時間は、約30分前後が一般的です。費用は約5000円程度になります。

 (2)ABI検査とPWV検査

動脈硬化の可能性を知るための手足の血圧や脈拍数を測る検査です。ABI検査は「上腕と足首の血圧測定」になります。足首の血圧が低いと、動脈硬化の可能性があるということになります。PWV検査は「脈波伝播速度の測定」になります。

足首への脈波伝播にかかる時間が通常の数値よりも高いかどうかで、動脈硬化の可能性を判断します。内科や循環器科での検査や、人間ドッグでも行われます。病院での受診における検査であれば、保険適用内で約390円となります。健康診断や人間ドッグの場合は自費負担となりますので、医療機関に確認が必要です。

Doctor listening to patient

6)どんな治療が行われる?症状への治療方法とは

(1)超音波・温感治療

接骨院または整形外科での治療になります。どちらかというと慢性的な痛みの治療になります。そのため、治療器具を使って患部を温めて血行促進や神経の改善を促すという治療になります。

(2)テーピング・サポーター

対処法でもご紹介した治療法です。それぞれの患部に応じて適用でき、特にサポーターは初心者でも扱いやすい商品です。テーピングの方法は整形外科での指導を受けたほうが安心です。また、テーピング用のテープに付属している説明書に記載されていることもありますし、今ではインターネットの動画で紹介されていることもあります。

(3)ヒールパッドの処方

整形外科で処方してもらえる「靴の中敷きクッション」です。短腓骨筋腱付着部炎の治療や防止に使用します。足の形に合わせて作成してもらえますので、これを使用しているうちに足の甲の外側の痛みがなくなっていきます。

 7)生活習慣から改善を!痛みへの予防習慣とは?

(1)姿勢を正す

足は体を支える大切な部位です。姿勢がよくないと、足の重心以外のところに負担がかかってしまうことでトラブルを作ってしまいます。また、長時間足を組んだままであったり、足を圧迫してしまうような姿勢で過ごしたりすることも避けたほうがよいでしょう。

(2)自分に合った靴をはく

短腓骨筋腱付着部炎のように地面と近い部位から起こる炎症を防ぐためにも、また足全体への負担を軽減するためにも、やはり自分に合った靴を選んではきましょう。

(3)食生活の改善

肥満になることで足の付け根の血管が圧迫されてしまいます。また、コレステロールが血管内に付着することで動脈硬化を引き起こします。適度な運動を心がけたり、脂っこい食事をとりすぎたりしないように注意しましょう。

(4)スポーツ前の足のストレッチとクールダウン

普段運動する人は、足の筋肉や骨への疲労がたまりやすくなります。クールダウンや足を休めることも重要です。また、普段はあまり運動しない人がスポーツをする時は、必ずストレッチで足の筋肉をほぐしてあげましょう。



今回のまとめ

1)どんな症状が現れる?足の外側の痛みの代表的な症状とは

2)原因は何?足の外側の痛みで考えられる6大原因とは

3)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

4)試せる処置はあるの?痛みへの対処方法とは

5)治まらない場合は専門家へ!行われる可能性のある検査方法

6)どんな治療が行われる?症状への治療方法とは

7)生活習慣から改善を!痛みへの予防習慣とは?