カルテを確認し合っている医者

膝にかかる負荷は大きく、例えば階段の昇降時には自分の体重の約7倍の負荷がかかると言われています。このように意識されず酷使されているために、膝にトラブルを抱える人は大勢います。ここでは膝に水が溜まる症状や治療方法を解説していきます。



膝に水が溜まる場合の3大症状を解説!治療方法と注意点


1)そもそも膝に水が溜まるとは何?

膝は大腿骨と脛骨、膝蓋骨で構成されていて、この腿骨と脛骨が向き合った両先端に関節軟骨があり、骨と骨が擦れる部分を保護する働きがあります。また、2つの骨の隙間を関節液が満たしています。そして、大腿骨と脛骨のつなぎ目部分は関節包で覆われています。関節包の内側に滑膜があり、ここから関節液の分泌、吸収が行われます。関節液は関節軟骨に栄養や酸素を与えたり、骨と骨の摩擦を軽減する潤滑油の役割がありますが、この関節液が通常よりも過剰に分泌されて溜まった状態のことを膝に水が溜まると言います。

2)3つのチェック!膝に水が溜まっている場合の症状と特徴

(1)膝蓋骨にくぼみができない

膝を曲げた際、通常なら膝蓋骨の両側にくぼみができますが、水が溜まっているとこの部分がくぼみません。

(2)膝の感触に違和感がある

足を延ばした状態で膝蓋骨を中指と親指で囲むように持ち上げ、盛り上がった部分を押し込んで違和感がないかをチェックします。押し込んだへこみが元に戻るのに時間がかかったり、感触がぶよぶよしていた場合は膝に水が溜まっていると判断できます。

(3)膝蓋骨が浮く

椅子に座り、足を伸ばして台に乗せた状態にしたら、膝蓋骨を奥から手前に向かって動かします。この時に膝蓋骨が浮き沈みする感覚を生じたら水が溜まっている可能性があります。

3)水が溜まっている症状の変化とは?初期・中期・後期のチェック項目

ここでは膝に水が溜まる症状の一例として、変形性膝関節症の場合について記載していきます。

(1)初期症状

外界から大きな力が膝に何度もかかることによって、徐々に関節軟骨が傷ついていきます。自覚症状として、膝全体に痛みが広がりますが、少し休憩すれば痛みは消えていきます。

(2)中期症状

関節の炎症が進行する段階です。立ち上がる、階段の昇降などの膝に負担がかかること以外に、歩行時においても膝が痛むようになります。この頃から関節液の分泌過多が起こり、膝に水が溜まります。

(3)後期症状

通常の歩行でさえも困難になるほどの痛みが生じ、日常生活に支障をきたす段階です。動くと痛むので非活動的になり、そのため筋肉が衰えて膝に負担がより多くかかるようになるという悪循環に陥ります。

Explaining the reasons of the injury to his patient

4)何が原因なの?考えられる3大原因とは

(1)関節が炎症を起こしている

炎症が発生すると、身体はその炎症を冷やそうと関節液を通常よりも多量に分泌します。このため、膝に水が溜まる原因になります。また、肥満体型の人はそれだけ膝に負担がかかっているので炎症を起こしやすく、注意が必要です。

(2)加齢

年齢を重ねることによって骨が衰えていき、炎症を起こしやすくなるために膝に水が溜まる原因になります。

(3)膝の組織の損傷

膝の軟骨や、衝撃から守るクッションの役割をしている半月板が傷ついて炎症を起こすことでも膝に水が溜まります。半月板は主に膝にひねりを加えると損傷しやすくなります。

5)初期症状で気になる場合に!専門医で試したい検査方法

整形外科、または整骨院で専門医に診てもらいましょう。ただし、レントゲン検査とMRI検査は整形外科でしか行っていないので、注意が必要です。

(1)レントゲン検査

何を原因として膝に水が溜まるのかを判断するにはレントゲン検査を用います。レントゲン検査では骨の強度、変形具合を調べることができます。

(2)MRI検査

MRIの検査時間は平均して20~40分になります。検査中はただ横になっているだけで大丈夫です。MRI検査では、関節軟骨の摩耗具合、半月板の損傷有無、関節の炎症などを確認できます。磁気を使用した検査方法なので、検査時は金属を身に着けていない必要があります。費用は平均して1万円前後かかります。

(3)関節液の状態を検査する

注射器を用いて膝から溜まっている関節液を採取し、状態を検査します。正常な関節液は透明で粘り気を持っています。黄色く濁っていたり、血液が混ざっていたりする場合は問題ありと判断されます。

6)病院で行われることは?水が溜まっている症状への治療方法

(1)膝の水を抜く

注射器で膝に溜まった水を抜き出します。整骨院では処置してもらえないので、整形外科に行く必要があります。この方法では膝に水が溜まる根本原因に対する治療ではなく、再び水が溜まってきてしまうため、どうしても膝が痛い、膝が動かない場合のみに治療を行うことが推奨されます。費用は2千円前後かかります。まれに、治療後の措置が適切でないと、針で水を抜いた部分から細菌が入り込み、感染する恐れもあります。なので、治療後は入浴や運動は控えるようにした方が無難です。

(2)薬物治療

上記の方法では膝に水が溜まる根本原因に対する治療ではなく、再び水が溜まってきてしまうため、原因である膝の炎症を抑えるステロイドの投与も併せて行われます。費用は3千円前後かかります。

(3)外科手術

半月板の損傷で膝が動かない場合などは外科手術を行います。半月板の損傷部分のみを切除する方法が一般的です。

7)膝に水が溜まっている症状を予防・改善していくための生活習慣

膝に水が溜まらないようにするには、膝への負担を軽くすることが必要です。そのためには体重があまり増えすぎているとよくありません。日頃から体重管理を意識しましょう。

(1)食事のカロリーを抑える

成人男性の摂取カロリーは2500キロカロリー、女性は2000キロカロリーが目安と言われています。夜食、間食は控え、1日に摂取した大体のカロリーを記録し、摂りすぎないようにします。

(2)適度な運動

ウォーキングや水泳などの適度な運動を心がけます。肥満防止の他にも筋肉がつくことで、関節に必要な栄養がスムーズに供給されるようになります。



今回のまとめ

1)そもそも膝に水が溜まるとは何?

2)3つのチェック!膝に水が溜まっている場合の症状と特徴

3)水が溜まっている症状の変化とは?初期・中期・後期のチェック項目

4)何が原因なの?考えられる3大原因とは

5)初期症状で気になる場合に!専門医で試したい検査方法

6)病院で行われることは?水が溜まっている症状への治療方法

7)膝に水が溜まっている症状を予防・改善していくための生活習慣