足首に包帯を巻いている医師

足首が腫れてしまい痛みを生じる「滑液包炎」という疾患があります。滑液包炎は関節のある部位にはどこでも発症する疾患で、くるぶし部分に発生すると足首が腫れるようになります。今回はくるぶしにできる滑液包炎の原因や治療方法を紹介します。



滑液包炎とはなに?くるぶしに現れる3大原因と対処方法


1)そもそも滑液包炎とは何? 

(1)滑液包とは

関節には、骨・軟骨・靭帯・腱・筋肉などの組織があり、それらがうまく作用して関節が動くようになっています。骨や周囲の組織が擦れずに関節の動きをスムーズにするためには、潤滑油のような組織が必要になります。それが「滑液包」という組織です。

(2)滑液包炎とは

滑液包の中には滑液という液体が入っており、骨や軟骨・靭帯などがすれる部分に存在し、衝撃を吸収する働きをします。また、軟骨細胞へ酸素や栄養分を運んだり、老廃物を排出するなどの働きをします。この滑液包に炎症が起こると、滑液が過剰に増えて痛みや腫れを発生します。さらに炎症が続くと滑液包自体が厚く固くなってしまい、こぶのようになる場合もあります。 

2)どんな症状が現れる?滑液包炎の代表的な症状 

触るとプヨプヨしていたり、または固いこぶのように腫れます。痛みを感じる人もいれば感じない人もいます。比較的初期で軽度の場合は痛みを感じないケースが多く、進行して滑液包炎が大きく腫れてくると、神経を圧迫するようになり痛みがあらわれるようになります。 

3)なぜ痛むの?くるぶしの滑液包炎の3大原因とは 

(1)圧迫 

くるぶしの滑液包炎の原因の多くは「圧迫」です。正座や横座り・あぐらをかくなどの姿勢を常にとっている人は、床に足首が接して関節を圧迫するので滑液包炎を発症しやすくなります。座布団やクッションをひかず、このような姿勢を日頃から取り続けると、滑液包が圧迫されて炎症を起こしてしまいます。50~60代の年代の人に発症することが多く、正座やあぐらをかくことが原因の場合がほとんどです。また、X脚やO脚の人・スポーツで足首を酷使している人なども発症する可能性が高くなります。 

(2)病気 

関節リウマチや痛風等でもくるぶしの滑液包炎を発症する場合があります。痛風は栄養が偏り体内に尿酸が溜まる病気です。主に足の親指の付け根に炎症があらわれますが、くるぶしあたりに症状が広がる場合もあります。関節リウマチは、関節が炎症して腫れや痛みを発生します。滑液包にも影響が出る可能性が高いので、くるぶしの滑液包炎を発症する場合があります。急性の滑液包炎の場合は、擦り傷や切り傷などの軽症や、床ずれや吹き出物・髄膜炎などの化膿性炎症が原因で発症します。 

(3)原因不明 

しばしば原因不明の滑液包炎もあります。

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4)試せる応急処置はある?専門機関での検査と治療方法とは

痛みがそれほど酷くない場合は冷やすことで改善されます。炎症が軽度であれば、自然と治癒する可能性は高いです。氷嚢や保冷剤で10分ほど冷やし、安静にして足首の負担を和らげてあげましょう。 滑液包炎の治療は整形外科で行われます。

(1)検査方法 

・問診

痛みが始まった時期・どのような痛みか・動かすと痛みがあるかなどを聞き取ります。 

・滑液包炎穿刺

滑液包の中身の液体を採取し、感染や痛風などの有無を調べます。 

・画像診断

レントゲンやMRI・超音波検査で、骨折のや関節の変形・滑液包炎の程度などを調べます。 

(2)治療方法 

・酷使が原因

アイシングと安静で様子を見ます。痛みや腫れが酷い場合はステロイド注射や滑液を抜く注射が行われる場合があります。また、サポーターや包帯で患部を圧迫し固定されます。しかし、滑液を抜いても数カ月後にまた発症する可能性はあります。 

・感染や病気が原因

滑液包内の炎症を治療する抗生物質の処方や、滑液包炎を起こしている元となる病気を治療することが必要になります。 

5)日常生活から改善を!滑液包炎への予防習慣とは 

(1)圧迫による負担を避けましょう

くるぶしの滑液包炎の原因は、ほとんどが「圧迫」による炎症です。正座やあぐら・横座りする回数を減らしたり、座布団やクッションを敷くなどして足首の負担を減らしましょう。

(2)定期検診で早期発見を

痛風や関節リウマチが原因の場合は、くるぶしだけでなく全身症状があらわれます。健康診断で尿酸値が上昇していたり、リウマチの持病などがある場合は、早めに治療を行うことでくるぶしに症状があらわれることを予防できます。 日頃から、座り方や歩き方に気をつけて、栄養が偏らない食生活を送るように心がけましょう。



今回のまとめ 

1)そもそも滑液包炎とは何?

2)どんな症状が現れる?くるぶしにできる滑液包炎の代表的な症状 

3)なぜ痛むの?くるぶしの滑液包炎の3大原因とは 

4)試せる応急処置はある?専門機関での可能性のある検査・治療方法 

5)日常生活から改善を!滑液包炎への予防習慣とは