腰痛の治療を行っている医師

腰の痛みが太ももにまであらわれるのは、腰に起こっている炎症が神経を圧迫することが原因です。では、どのような腰の炎症が太ももにまで影響を及ぼすのでしょうか?今回は腰から太ももの痛みの原因・病気の可能性・治療方法などをご紹介します。



腰から太ももの痛みはなに?3大原因と治療方法を解説


1)腰からふとももにかける痛みの代表的な症状とは? 

腰の痛みとともに、お尻から足の付根(股関節)にかけて、または太ももに痛みやしびれを感じます。 

・くしゃみをすると痛みやしびれを感じる 

・寝ていても痛みがある 

・足の先にまで痛みやしびれがある 

・身体を動かすと痛みやしびれがあらわれる 

・決まった体勢で痛みがでる 

2)なぜ痛みが?腰から太ももの痛みの3大原因とは 

(1)坐骨神経痛 

腰から太ももに痛みを発生させる神経は、主に「坐骨神経」だと言われています。坐骨神経は、腰や臀部から太ももの中を通り足先まで繋がっている末梢神経です。末梢神経の中では一番太く、腰や背骨に何らかの炎症が起きて坐骨神経が圧迫や刺激を受けると、腰や太もも・足先まで痛みやしびれを発症します。「坐骨神経痛」という名称は正式な病名ではなく、「病気により座骨神経が圧迫されて出ている痛み」という症状のことです。 

(2)腰椎が分離する 

背骨は「脊椎」が重なって形成されています。その腰部分を「腰椎」といい、何らかの原因で分離する(折れる)という症状が出ると、腰痛や下肢に痛みがあらわれます。 

(3)腫瘍がある 

腰の部分に腫瘍ができると神経を圧迫し、腰痛や下肢の痛み・しびれなどがあらわれます。 

3)試せる応急処置はあるの?症状への対処方法とは 

(1)安静にする 

痛みがあらわれるのは神経を圧迫されていることが原因なので、まずは楽な姿勢をとって横になり安静にします。 

(2)冷やす・温める 

痛みを取るためには炎症している患部を冷やすことが大切です。保冷剤や冷感湿布などで患部を冷やします。しかし、慢性の坐骨神経痛がある場合は、冷やすことは厳禁です。逆に温感湿布などで患部を温めます。 

(3)鎮痛剤を飲む 

坐骨神経痛に効果がある薬が、現在では市販されています。また坐骨神経痛用の漢方なども販売されています。これらを服用して安静にします。

患者の問診を行っている医師

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは 

・症状が酷い 

・症状を繰り返す 

・日常生活に支障が出る 

・動くと痛みが出る 

・尿や便が出にくい/残尿感がある 

・常に腰に怠さを感じる 

・安静にしていても痛みがある 

腰から太ももにくる痛みは、背骨の中を通っている神経や座骨神経が圧迫されて発症します。早めに医療機関を受診して、検査・治療を受けるようにしてください。 

5)症状が続く場合は注意!考えられる6種類の病気とは? 

(1)椎間板ヘルニア 

脊椎と脊椎の間にあるクッションの役割をしている「椎間板」という組織が、何らかの理由で弾力性を失ったり、ゼリー状になっている中身が飛び出したりすると、坐骨神経を圧迫して痛みが発生します。 

(2)腰部脊柱管狭窄症 

脊椎が積み重なってできている背骨の中心には「脊柱管」という孔があいており、その中を神経が通っています。腰の部分にある脊柱管の孔が、狭くなったり変形すると神経を圧迫してしまい、腰痛や下肢の痛み・しびれなどを発症します。主に加齢が原因と言われ50代以降から発症しやすい傾向にあります。 

(3)腰椎分離症・すべり症 

腰椎(腰の部分の脊椎)に負担がかかり、折れたりはずれてしまう症状です。先天性やスポーツなどの影響で発症します。また、その腰椎がずれてしまうことを「すべり症」と言います。主に加齢により靭帯や筋力が低下し、腰椎が前方にすべることが多く見られます。どちらも腰痛や下肢への痛みを発生します。 

(4)変形性腰椎症 

加齢や姿勢・運動などで腰に負担がかかり、腰椎が変形することで腰痛や下肢の痛み・しびれがあらわれます。変形性腰椎症は脊柱菅狭窄症を招く可能性があります。 

(5)脊椎腫瘍 

腰椎に腫瘍が発生します。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と似ているので誤診される可能性が高いと言われています。腰痛・下肢の痛み・しびれ・安静にしていても痛みが酷いなどの症状があらわれます。 

(6)馬尾腫瘍 

背骨の中には「脊髄」という神経が通っています。その脊髄の末梢神経である馬尾神経に腫瘍が発生すると、腰痛・下肢の痛み・しびれ・麻痺などがあらわれます。こちらも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と誤診される可能性はあります。

MRI machine is ready to research in a hospital 

6)専門家で行われる可能性のある検査・治療方法とは

座骨神経痛かも?と思った場合は整形外科を受診します。 

(1)検査方法 

・問診

症状の出始めた時期・痛みがある部位・きっかけ・過去の病歴・服用中の薬の有無などを聞き取ります。 

・触診

下肢を持ち上げる・痛みがある部位の触診・歩行や姿勢を確認します。 

・画像診断(レントゲン・CT・MRIなど)

腰や背骨の状態や腫瘍の有無・神経組織などを検査します。 

(2)治療方法 

・保存療法

痛みや炎症を抑える薬・血流を促進させる薬・湿布などが処方されます。また、腰椎を伸ばす牽引・血流を促進させる温熱療法・姿勢を安定させるコルセットの着用・靭帯や関節の動きを改善する運動療法などが行われます。痛みが酷い場合は、麻酔薬を注射して脳への伝達を遮断する療法が行われる場合もあります。 

・手術

診断結果により手術の内容は異なります。神経を圧迫している腫瘍の切除・狭窄している部位の脊柱管を切除・飛び出ている椎間板の切除などの手術が行われます。 

7)日常から改善を!腰から太ももの痛みへの予防習慣とは 

(1)腰に負担をかけない 

スポーツや労働などで、腰に負担をかけないようにします。また、姿勢や歩き方などでも腰や背骨に負担がかかるので、正しい姿勢を保つように心がけましょう。 

(2)冷えないようにする 

身体が冷えると筋肉がかたまり、骨や関節に負担がかかって姿勢や動作にも影響がでます。身体を冷やさないように日頃から適度な運動やストレッチを行い、血流を促進しましょう。 

(3)筋力をつける 

腹筋や背筋が減少すると、身体を支えるために背骨や腰回りの骨に負担がかかるようになります。その結果、背骨や腰の骨に炎症が出て神経が圧迫されることになります。筋力をつけると冷え性も改善されるので、ぜひとも適度な運動を心がけるようにしてください。



今回のまとめ 

1)どんな症状が現れている?腰からふとももにかける痛みの代表的な症状とは? 

2)なぜ痛みが?腰から太ももの痛みの3大原因とは 

3)試せる応急処置はあるの?症状への対処方法とは 

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは 

5)症状が続く場合は注意!考えられる6種類の病気とは? 

6) 痛みが気になる場合に!専門家で行われる可能性のある検査・治療方法 

7)日常から改善を!腰から太ももの痛みへの予防習慣とは