診察中の医者と患者

よく聞く太股の異常と言えば肉離れ、こむら返りなどが挙げられますが、太股前面に痛みが生じることもあります。それはもしかしたら重大な病気のサインかもしれません。ここでは、太股の前面に痛みを感じた際に考えられる原因や対処方法などを解説します。



太股の前面に痛みが?可能性のある3大原因と対処方法とは


1)そもそも太股の前面とは?構造や役割

太股の前面には大腿四頭筋という筋肉があり、この筋肉は大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つから構成されています。歩く、走るといった日常的な行為の際に使用する筋肉です。起き上がる際やバランスを取る際にも使用されます。エネルギーの大きな運動を行うため、強力な筋肉がついています。ちなみに太股の裏面にはハムストリングスと呼ばれる筋肉があります。こちらは膝を曲げる際に働きます。

太股前面の痛み方には様々な種類があり、一例を挙げると、太股に突っ張った感じがある、ジンジンする、ビリビリしびれるといった症状が現れます。太股以外にも、腰、お尻、膝下に痛みやしびれを感じることもあります。

2)なぜ痛むの?痛みの3大原因とは

(1)激しい動きをした

走る、飛ぶ、ひねるなどの運動で足に必要以上に負荷をかけると、一時的に炎症や疲労物質が太股に溜まり、筋肉痛を起こして痛みを感じます。

(2)神経痛

何らかの原因で神経が刺激されることで痛み、しびれが生じます。加齢と共に神経痛が起こる確率は高くなります。

(3)妊娠

妊娠により骨盤に歪みが生じ、それが原因で神経を圧迫して太股に痛みを感じることがあります。場合によっては激痛で動くこともできない方もいます。

※太股の前面の痛みへの対処法は、まず第一にできるだけ安静にすることが挙げられます。他には、ストレッチを行うことで痛みの緩和ができることもあります。

3)痛みが続く場合は要注意!考えられる3種類の病気とは?

(1)腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板がはみ出して、神経を圧迫することによって生じます。多くの場合、激痛を伴うのが特徴です。症状は太股に現れますが、治療が必要なのは腰になります。

(2)大腿神経痛

腰椎から伸びて太股前面や側面を通る神経を大腿神経と言いますが、この神経が刺激を受けて痛みを感じる症状を大腿神経痛と言います。原因としては、締め付けの強い衣服の着用、肥満、腰が曲がって大腿神経を圧迫しているなどが挙げられます。他にも骨盤が歪んでいることによっても大腿部が圧迫されます。

(3)大腿四頭筋炎

バスケットボールなどの動きが激しいスポーツをしている時、太股の付け根に痛みが走ることがあります。これが大腿四頭筋炎と呼ばれています。スポーツ以外にも、立ち仕事、デスクワークを行っていても発症する可能性があります。大腿四頭筋の外側広筋、内側広筋、中間広筋、大腿直筋の4つのうちいずれかの筋肉が炎症を起こした状態が大腿四頭筋炎です。

Manipulative nurses are examining the woman's hip.

4)痛みが治まらない時には専門家へ!検査・治療方法とは

(1)検査方法

・腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの検査にはMRIが効果的です。MRIは脊柱管を鮮明に映し出すことができ、脊柱管が細くなっていたら腰椎椎間板ヘルニアだと診断されます。MRIの前にはX線検査が行われます。椎間板はX線検査では判別できませんが、骨の異常の発見には有用です。

・大腿神経痛

大腿神経痛の検査には大腿神経伸長テスト(FNSテスト)が用いられます。まず、患者をうつ伏せにして、片足の膝を90度に曲げさせ、太股を持ち上げて股関節を伸ばしていきます。この際、神経に異常があれば太股前面に痛みが走ります。

・大腿四頭筋炎

うつ伏せになった患者の痛みがある方の足を持ち、膝の屈曲を行います。この時、お尻も一緒に浮き上がってくると大腿四頭筋に炎症があると判断できます。これをエリーテストと言います。

(2)治療方法

・腰椎椎間板ヘルニア

基本は症状をこれ以上悪化させないように安静、投薬のみを行う保存療法が用いられます。保存療法で症状の改善が見られない場合は切開手術でヘルニアを取り除きます。現在一般的に行われるのはラブ法という手術法です。これは、患者を特別な形をした専用の手術台にうつ伏せにして全身麻酔をし、ヘルニアを切除する方法です。

・大腿神経痛

大腿神経痛は、神経を圧迫している原因を取り除くことが第一で、ストレッチや血流を改善する薬が用いられます。それと同時に、痛み止めのために局所麻酔の注射を打つ、鎮痛薬を服用するなどがなされます。

・大腿四頭筋炎

大腿四頭筋炎の治療は、安静にして筋肉の炎症が治まるのを待ちます。この際、炎症を抑えるために抗炎症鎮痛剤を使用します。他に、専用の機械で患部を温めて血行を良くする温熱治療や、運動療法が行われます。

5)習慣を整えよう!太股の前面の痛みへの予防習慣とは

太股前面の痛みの予防にはジョギング、ウォーキングなどの適度な運動が効果的です。また、姿勢が悪いとその分だけ身体に余計な負荷がかかり病気になる確率が高まるので、日頃から背筋を伸ばすなど、姿勢を正しくしておくことも必要です。



今回のまとめ

1)そもそも太股の前面とは?構造や役割

2)なぜ痛むの?痛みの3大原因とは

3)痛みが続く場合は要注意!考えられる3種類の病気とは?

4)痛みが治まらない時には専門家へ!検査・治療方法とは

5)習慣を整えよう!太股の前面の痛みへの予防習慣とは