Stethoscope in hands

腰椎圧迫骨折は、スポーツや転落事故などによっても発症しますが、一般的には骨粗鬆症と密接に関係し、骨が脆くなっている高齢者や女性に多い病気です。今回はこの腰椎圧迫骨折の症状看護のポイント、予防法などについてご紹介します。



腰椎圧迫骨折の看護方法!4つのポイントと注意点とは


1)腰椎圧迫骨折とはどんな病気か

(1)脊椎圧迫の一種

「腰椎圧迫骨折」とは脊髄圧迫骨折の一種で、外部から加えられた力によって脊髄の「椎体」と呼ばれる部分が潰れてしまうことによって起こるものです。脊髄は複数のパーツで構成されますが、腰椎圧迫骨折はその中でも第11~12胸椎と第1腰椎の胸腰椎移行部に多発するといわれています。

(2)骨へ過度な強い衝撃が加わる

スポーツ事故や転落事故などによって骨の強度以上に強い衝撃が加わると、当然骨は折れるので腰椎圧迫骨折を発症しますが、一般的には骨の強度(密度)が低下している高齢者や女性に多い病気といえます。

(3)骨粗鬆症と深い関係

特に「骨粗鬆症」との関係性は密接で、これに起因する腰椎圧迫骨折の割合は大変高いのが実状です。

2)症状を理解してあげよう・・腰椎圧迫骨折の代表的な症状

(1)寝返りさえも打てない痛み

腰椎圧迫骨折の症状は、軽度の場合は外傷を契機として出現した腰痛だけですが、通常は寝返りさえも打てないほどの激しい痛みがしばらく続くといわれています。

(2)安静にしていればあまり痛みを感じない

痛みはおもに体を動かす際に生じるものなので、体を動かさず安静にしてさえいればそれほどの痛みを感じることはありません。

(3)下半身の痺れが現れることも

ただし、圧迫骨折が進行して骨折した椎体の破片が脊柱管内に突きだし、そのことによって神経が圧迫されると安静時においても下肢の痛みや痺れを感じることがあるようです。

3)完治のためにできることは?腰椎圧迫骨折への2つの治療方法

腰椎圧迫骨折の治療法としては、転位がなく足の痺れなどの神経症状もなければ安静による「保存療法」が基本となります。ただし、脊髄神経に近い椎体の後部が折れている場合、神経を圧迫して下肢麻痺を起こすことも想定されるため、「手術療法」が必要となります。

(1)保存療法

多くの場合、保存治療によって症状の改善が認められます。通常は2週間程度安静にし、コルセットなどで安定性を確保して時間をかけて骨折部位の安定化を図ります。また、鎮痛薬として「ボルタレン」や「ロキソニン」など非ステロイド消炎鎮痛薬を用います。

(2)2つの手術療法

十分な保存治療を施しても痛みが取れない場合に施す手術療法を2つ挙げます。

・経皮的椎体形成術

骨折した椎体の中に骨セメントを注入して椎体を安定させる手術です。

・脊椎インストゥルメンテーション

金属のネジやロッドを用いて脊椎を固定したり矯正したりする手術です。神経症状がある場合には、この施術とともに神経除圧術を行い、麻痺の改善を図ります。

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4)大切な手術後・・腰椎圧迫骨折の手術後の予後

経皮的椎体形成術の場合、手術時間は30分~1時間程度です。術後はその状態にもよりますが、通常は数日~1週間程度で退院できます。退院後しばらくはコルセットを装着します。寝たままでいるとさらに骨が弱ってくるため、散歩などの運動が必要です。片足立ちでバランスを保つ訓練や、足腰を鍛える体操などを行い転倒防止に努めることが大切です。

5)要チェック!腰椎圧迫骨折の看護の4つのポイント

(1)日にち薬

腰椎圧迫骨折の場合、安静にしつつ、痛みに対する軽減処方を講じながら骨折部位が安定するのを待つしかありません。

(2)コルセットの活用

ただし、高齢者の場合、1日安静にしているだけで筋力の低下が著しいといわれています。安静にするあまりに「拘縮」などが進むことが懸念されます。ですので、生活介護の基本としては安静にしながらも、圧迫部位にコルセットなどを装着し、できるだけ痛みを軽減させて生活への意欲の減退を少なくさせることが大切です。

(3)実践行動

痛みの状態を見ながら実践すべき行動は以下のとおりです。

・できるだけ体の向きを変えるようにする

・時折、座位の体勢をとったりしてみる

・車椅子などを使って離床する

(4)入浴

このほか、体を清潔に保つことなどで気分転換を図ることなどもポイントです。入浴は気持ちのいいものですが、痛みが強くてデイサービスやショートステイなどが難しい場合は訪問入浴サービスなどもありますので、地域の専門家と相談するのが良いでしょう。

6)日常の生活から見直しを!腰椎圧迫骨折への2つの予防習慣

腰椎圧迫骨折は、外部からの力によって起こるものですが、特に高齢者の場合にはこの外部の力は強い衝撃に限ったものではありません。例えば、ちょっとした転倒や尻もち、さらには咳やくしゃみ程度の軽微な衝撃でも起こりうるものなのです。

先述のとおり、この原因は骨の強度(密度)によるもので、骨粗鬆症の人に多いものと考えられます。したがって、腰椎圧迫骨折の予防は骨粗鬆症の予防と強く関係するといえます。骨粗鬆症は、「骨の生活習慣病」ともいわれるとおり、その予防法としては生活習慣の見直しと改善が重要になり、具体的には以下の項目の実践が効果的です。

(1)骨をつくる源となる毎日の食生活を見直す

骨を強くするためには「カルシウム」が欠かせません。カルシウムは単体ではなく、「ビタミンD」と一緒に摂取することで吸収率が上がります。カルシウムは、乳製品や小魚、ビタミンDは鮭やサンマなどに多く含まれています。

(2)ストレッチや体操などで筋力を高め柔軟性を保つ

体が硬いと転んだときの衝撃をそのまま受けることとなります。これを軽減するためにも日常的にストレッチや体操をして、普段から筋肉や関節を強く柔らかく保つことが重要です。



今回のまとめ

1)腰椎圧迫骨折とは、外部から加えられた力によって脊髄の「椎体」が潰されてしまうことによって起こるものである。

2)その症状は、軽度の場合は腰痛が起こる程度であるが、通常、寝返りさえも打てないほどの激しい痛みがしばらく続く。 

3)治療法としては、転位がなく足の痺れなどの神経症状もなければ、安静による保存療法が基本となるが、脊髄神経に近い椎体が折れている場合などは手術が必要となる。

4)経皮的椎体形成術の場合、数日~1週間程度で退院でき、その後はコルセットなどを装着し、散歩などの運動を行うことが必要である。

5)腰椎圧迫骨折の介護のポイントとしては、筋力の低下を防ぐために、安静にしながらもコルセットなどでできるだけ痛みを軽減させ、体を動かすようにすることである。

6)腰椎圧迫骨折は骨粗鬆症と密接に関係しているため、その予防法である「食生活の見直し」と「筋力強化」を実践する必要がある。