ナースに問診を受ける男性の患者

歩く・座る・立ち上がるなど、日常生活において膝は重要な働きをする部位です。膝に痛みを感じると、思うように動けなかったり、日常生活に様々な支障をきたしてしまいます。

今回は膝の内側に痛みが表れた場合の原因と対処法をご紹介します。



膝の内側の痛みの6大原因!病気の可能性とは


 1)膝の内側の痛みの5つの代表的症状

(1)膝が動かしにくい

膝がある範囲異常曲げ伸ばしできなかったり、何かが挟まったように突然動かなくなったりします。

(2)膝が不安定になる

膝に力が入らなかったり、ぐらぐらするような感覚を感じたり、歩行中に突然ガクンと膝が抜けたりします。

(3)膝に水が溜まる

膝の皿を押すとプヨプヨと浮いているような感触があったり、膝の重苦しさ・だるさ・何か入っているような異物感を感じたりします。

(4)腫れや熱感を伴う

炎症が起きると膝の周辺が腫れたり、熱感じを伴ってむくんだりします。

(5)音がする

膝を動かしたときにきしむような感じや、「コキッ」「ポキッ」「ブチッ」のような断裂音が聞こえたりします。

2)膝の内側の痛みの6大原因

(1)膝の使いすぎ

膝を動かす回数が多いほど、骨がたくさんこすれて軟骨がすり減っていきます。

長時間走る・急な方向転換をする・ダッシュと急停止を繰り返す・足を踏ん張る・ジャンプを繰り返すなどの主にスポーツを行う場合や、立ち仕事・重い荷物を持つ・しゃがむ姿勢や正座などを長時間続けるなどの仕事や家事を行う場合も要注意です。

(2)運動不足・肥満

平坦な道を歩く場合でも膝には体重の2~3倍の負荷がかかっています。

そのため肥満の人ほど膝への負担は大きくなります。肥満になると痛みから運動不足になり、更に肥満が進行し、膝の状態が悪化するという悪循環が生まれます。

(3)筋力不足

運動不足は足の筋力も低下させてしまいます。膝まわりの筋肉が弱いと膝関節への負荷を十分に吸収できず、関節に伝わる衝撃が大きくなってしまいます。

肥満ではないがやせすぎている、筋肉がほとんどないという方も注意が必要です。

(4)O脚

O脚とは膝が外側に曲がっていて、膝と膝の間に大きな隙間が空いている状態のことをいいます。膝関節の内側に強い圧力がかかるため、膝の内側に痛みが起こります。

(5)日常生活からのゆがみやねじれ

横座り・猫背での歩行・片方の手や肩で荷物を持つ・ハイヒールやサイズの合わない靴・階段の上り下りが多いなどの理由で重心が偏ったり負荷が蓄積されたりすると膝への負担が大きくなり痛みを引き起こしている場合があります。

(6)事故やケガなどの外傷

ケガの治療が十分でなかったり、骨の変形が残ったりすることで膝に負担がかかりやすくなり、軟骨が削られやすく早くすり減ってしまいます。

ケガの発生直後に痛み出すだけでなく、若い頃のケガが歳をとってから痛み出す場合もあります。

Chiropractor Works on the Patient Leg

3)膝の内側の痛みのに考えられる4つの病気

(1)鵞足炎(がそくえん)

膝の内側から膝下にかけて痛むのが特徴です。膝の内側には筋肉に繋がる腱が集中しており、膝の曲げ伸ばし、特に走りながら方向転換を行う際に、腱と骨または腱同士がこすれて炎症を起こり痛みを感じます。

(2)変形性膝関節症

膝関節の軟骨がすり減ったり老化したりすると、正座をしたり階段を昇り降りした時に、膝の内側が痛いといった症状がみられます。

特に中高年によくみられる症状です。

(3)タナ障害

膝の皿と大腿骨の間にある「タナ」と呼ばれるヒダ状の膜が炎症を起こすと、膝を動かした際に違和感や重苦しさ、「コキッ」といった音や痛みやひっかかり感を感じることがあります。

10~20歳代の若い女性に多くみられる傾向にあります。

(4)内側半月版損傷

膝の関節の中でクッションの作用をしている半月版と呼ばれる軟骨が、過度のスポーツなどで膝に負担がかかると、傷がつくなどして痛みを引き起こす場合があります。

4)膝の内側の痛みに自宅で実践できる4つの対処方法

(1)患部を冷やす

安静を保ちつつ患部を冷やすアイシングや湿布などの消炎鎮痛剤を用いて炎症を抑えます。痛みが強い場合や、膝が腫れ上がって熱を持っている場合に行います。

氷を入れたビニールをタオルなどでくるみ、患部に15~20分あてて10分休むを繰り返します。急性の炎症であれば長くても1週間程度で治まるので、症状が長引く場合は病院を受診して下さい。

(2)患部を温める

患部に腫れや熱感がみられず、重く鈍いような慢性的な痛みを感じる場合は患部を温めて血行をよくする方が効果的です。

家庭で行うには、入浴・蒸しタオル・温湿布・カイロなどを患部にあてて温めます。

(3)ツボを押す

・伏兎(ふくと)

椅子に座って太ももを上から見下ろします。その時の膝のお皿の外側の縁から指6本分上に位置します。変形性膝関節症の運動をサポートし、足の疲れもとってくれます。

・曲泉(きょくせん)

膝を曲げる時に膝内側にできる横しわの先端の凹んだところに位置します。膝の内側の痛みをとってくれます。

(4)マッサージ

床に脚を伸ばして座り、脚全体の力を抜きます。次に膝のお皿の上の方の縁に両手の親指をかけ、つま先方向へ5秒ほどスライドさせるように押します。

この要領で時計周りに8方向から押していきます。1回3分程度を朝晩2回行うと、膝のお皿周辺の筋肉や腱がほぐれ、膝のコリが解消されます。

Doctor massaging his patient back

5)膝の内側の痛みが続く場合にすべき4つの検査方法

明らかに膝に異常がみられる場合は整形外科を受診しましょう。更に精密な検査が必要であれば、総合病院などを紹介してもらえます。

(1)問診・触診・視診

痛み出した時期・痛む場所・痛み方・普段の生活についてなど、医師が質問によって状態を把握します。また患部の色や形を見て確認する視診や直接触って診断する触診を行います。

(2)血液検査・関節液検査

腕から血液採取し、その成分から炎症反応があるかどうかを調べる方法と、膝に水が溜まっている場合は、膝から関節液を採取し、その色や成分から病気の種類を判断する方法があります。

(3)画像検査法

レントゲン・MRI検査などを用いて骨の変形や損傷、神経の状態などを調べます。

(4)内視鏡検査

メスで膝に小さな穴や切込みを入れ、関節鏡と呼ばれる小さなカメラを差し込み、膝関節の内部の状況をモニターで確認する検査方法です。

他の画像診断で患部の状態が良く分からなかった場合などに行います。

MRIやCTスキャン検査などを行えばより細かで正確な判断ができます。費用は2~3万円の検査料がかかります。

6)膝の内側の痛みが続く場合にすべき5つの治療方法

(1)薬物療法

注射や薬によって痛みを抑える方法です。炎症を鎮めて痛みを和らげる効果のある消炎鎮痛剤や症状の重いケースにはステロイド薬が使われます。

患部に直接つける外用薬や飲み薬などの内用薬、患部に注入する薬物注射などがあります。

(2)温熱療法

膝の血行を良くする事で、組織の新陳代謝を高め、痛みのもととなる化学物質が取り除かれやすくなります。

また筋肉や関節のこわばりがほぐれて動かしやすくなる効果もあります。医療機関では、ホットパック・電気治療・超音波・赤外線・レーザーなどを用いて、細胞のより深い部分まで温めます。

(3)装具療法

膝関節を固定・保護し、膝の負担や痛みを軽減する方法です。サポーター・コルセット・杖などを用いて、日常生活の膝関節にかかる負担を減らして痛みを和らげます。

(4)運動療法

痛みが落ち着いてある程度膝が動かせるようになったら、ストレッチや筋トレ、ウォーキングなどを行い、膝周りの筋肉・靭帯・骨・軟骨などの組織強化を図ります。

肥満の解消や老化防止などにも役立ちます。

(5)手術療法

上記のような保存療法行っても痛みが治まらない場合や、骨のガンなど緊急の治療を必要とする場合などは手術を行って治療します。

膝に数箇所小さな穴を開けて内視鏡や器具を挿入して手術を行ったり、関節の一部または全部を人工関節に置き換えたり、骨の一部を切り取って脚を真っ直ぐに矯正するなど、症状によって様々な方法があります。

初めはしっかりと医師に診断してもらい、原因の特定と治療を行って、それでも痛みが治らなければ、接骨院や鍼久院、マッサージなど色々と試してみるのも良いかと思います。

7)膝の内側の痛みへ日常からできる5つの予防ポイント

(1)運動前後の準備運動

膝への負担を軽減するためにウォームアップやクールダウンをしっかり行いましょう。また普段から筋力トレーニングやストレッチを習慣づけ、膝周辺の筋力・柔軟性をアップさせるのも大切です。

(2)靴の見直し

X脚やO脚など足の形が悪い人は、足底板などを使用して重心のバランスを正常に保つようにしましょう。

靴のサイズは合っているか、十分な衝撃吸収はあるかなど自分の靴を確認しておきましょう。ジョギングやランニングの際はできるだけ柔らかい土の地面や平坦な道で行うようにすると良いでしょう。

(3)食習慣の見直し

肥満傾向にある人は、まず不規則な食生活を改善しましょう。1日3食、栄養バランスの良い食事を決まった時間にゆっくりと食べるよう心がけましょう。

寝る3時間前までには食事を終え、間食やアルコール類の摂りすぎには気をつけましょう。

(4)冷え対策

レッグウォーマーやサポーターなどを着用し、膝周辺を冷やさないようにしましょう。冬場だけでなく、夏も冷房で足元が冷えやすくなるので1年を通して使用することができます。

(5)姿勢を見直す

背中が丸まっている、胸を反りすぎてしまっているなど重心が前後左右にずれた姿勢は膝への負担が大きくなってしまいます。

背中と膝を伸ばしてかかとから着地する歩き方が理想的です。座る時も正座や横座りは膝に負担がかかるので、できるだけ椅子に腰掛けるようにしましょう。



今回のまとめ

1)膝の内側の痛みの5つの代表的症状

2)膝の内側の痛みの6大原因

3)膝の内側の痛みに考えられる4つの病気

4)膝の内側の痛みに自宅で実践できる4つの対処方法

5)膝の内側の痛みが続く場合にすべき4つの検査方法

6)膝の内側の痛みが続く場合にすべき5つの治療方法

7)膝の内側の痛みへ日常からできる5つの予防ポイント