カルテに記入をするナース

左手がしびれてしまう症状が続いていることがある。部分的にしびれているなどの症状があることはありませんか。ほっておくと握力がなくなったり、しびれが慢性化してしまうことがあります。そんな左手のしびれの原因や病院での治療法をご紹介します。



左手のしびれの3大原因!病気の可能性と治療法とは


1)左手のしびれの部位による違い

(1)左手の指先がしびれる

「頸椎症」の可能性があります。頸椎は、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、首の骨です。5番目と6番目の骨の間から、左手に伸びる神経が圧迫されて、指先がしびれてしまう可能性があります。また、スポーツやなんらの原因によって、手首を痛めた、指の一部が圧迫され続ける動作を繰り返していた、などの場合は、「指神経麻痺」の可能性もあります。日常生活の中で思い当たることがないか考えてみましょう。

(2)手の平だけがしびれる

手のひらだけがしびれる場合は「頸椎症」が疑われますが、「末梢神経の圧迫」の可能性もあります。

(3)親指から薬指までがしびれる

主なしびれが、親指から薬指までの場合は、「正中神経」が圧迫されて起こる可能性があります。

(4)薬指と小指にしびれが集中している

主なしびれが、薬指と小指に集中している場合は、「尺骨神経」が圧迫されて起こる可能性があります。

(5)手の甲がしびれている

「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」の可能性があります。特に上腕骨の橈骨神経は、外からの圧迫などの影響を受けやすい場所に通っているので、ケガや骨折などの外傷、神経炎、運動などで手の甲のしびれを起こすことがあります。

(6)手背・前腕・上腕がしびれている

頚椎の疾患や「胸郭出口症候群」などが疑われます。腕を挙げる動作で腕のしびれや肩、肩甲骨の周囲に痛みが出てきます。

2)左手のしびれの初期・中期・後期の2つの症状

(1)しびれの初期症状

手にしびれた感覚があります。手や手首が動かしずらくなります。

(2)しびれの中期症状

しびれの範囲が広がってくる手が曲がらなかったり、痛かったりがひどくなってきます。

(3)しびれの後期症状

目の異常や耳鳴りが現れる手の間隔がない麻痺状態になる

3)左手のしびれの3大原因

(1)関節の変形

大工さんや工場などの作業で肘関節が酷使されたりすると、変形してしまうことがあります。すると、神経を圧迫してしびれが生じることがあります。

(2)骨折などの外傷による神経圧迫

腕の骨折などの外傷によって、神経を圧迫してしまうことがあります。

(3)部分的に神経を圧迫している

手の一部に頻繁に負担をかけていると、神経を圧迫し続けてしびれが起こります。しびれがある部分を強く圧迫し続けていないか日常を振り返ってみましょう。

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4)左手のしびれへ自分でできる4つの対処法

しびれは病気の可能性もありますが、セルフケアの方法もあります。

(1)ストレッチなど体をほぐす

デスクワークが続いたり同じ姿勢をしていることが多い方は、血行が悪くならないようにストレッチなどで体をほぐすようにしましょう。肩の上下や首を回す、両肩を大きく回すなどなるべく体を動かしましょう。ただし、しびれがあるときは逆効果になることもあるので、体にコリがあるなどしびれのないときに行うようにしましょう。

(2)肩や腕などに負担をかけない

無理な姿勢や重いものをもつのは避けましょう。どちらかの肩や腕に常に重いものをもつなどして負担をかけないようにしましょう。

(3)入浴などで体を温める

血行促進のひとつとして、お風呂で体を温めることも有効です。また、湿布などで肩のこりを緩和させるなども、しびれを緩和させることが期待できます。

(4)つぼを押す

手のしびれを緩和するケア方法として、ツボを押しがあります。ご紹介するツボは、手の痛み、しびれを和らげるツボになります。

・曲池(きょくち)

肘の関節の表側で外側に位置しているツボです。

・少府(しょうふ)

こぶしを作ったときに小指の先があたる所のツボです。

・大陵(だいりょう)

手首の内側、関節部分のちょうど真ん中にあるツボ

5)左手のしびれから考えらえる4種類の病気

(1)手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手の神経は束になって手首の手根管というトンネルを通ります。この手首の神経が圧迫されることによって、しびれ、痛み、動きが悪くなる、筋肉が痩せるなどの症状が現れます。しびれは親指から薬指の4本に集中します。小指の神経は、尺骨神経という別の神経が司るので、手根管症候群では、小指だけがしびれないのが特徴です。

(2)肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

肘をぶつけたときに指がしびれたことはありませんか。肘の部分の神経をずっと圧迫してしまうと小指側がしびれてきます。スポーツで、野球のピッチャーが肘を使いすぎて、肘の変形を起こし、握力が落ちるなどの症状がこれに当たります。

(3)橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)

橈骨神経は、指を伸ばしたり、手首を起こす筋肉を担当しています。この神経が麻痺を起すと、手首が垂れ下がったままになります。親指と人差し指にかけてのしびれが特徴です。

(4)指神経麻痺(ししんけいまひ)

部分的に指がしびれます。指神経が刺激を受け続けた結果、感覚障害が出たものです。たとえば、ボーリングの選手が毎日ボールに指を通して圧迫した結果、親指がしびれたなどのケースです。しびれている部分を過度に刺激するようなことを行っていないか、日常生活を振り返ってみましょう。

Doctor and surgeon looking at a computer

6)左手のしびれが続く場合にすべき5つの検査方法

手のしびれを感じたら、そのままにしておかず、整形外科を受診しましょう。

(1)問診や触診

手のしびれはどの部分で起こっているかを確かめます。毛筆を使っての感覚検査や、安全ピンを使った痛覚検査などを行います。

(2)レントゲン検査

レントゲンによる画像検査をすれば、骨の状態を確認できます。また、靭帯の状態を確認することができます。ただし、骨の変形はわかりますが、脊髄や椎間板の状態はレントゲンでは写らないので、頚椎症やヘルニアの疑いがある方は、MRIでの検査が必要です。

(3)MRI(磁気共鳴画像)

MRIでは、頚椎を横から見た画像や、横断した画像など色々な方向から損傷部位を確認できます。

(4)エコー検査

肘の神経の状態を確認するのに有効な検査法です。肘部管症候群の患者さんは、レントゲンと並行してエコー検査で神経の状態を確認することができます。

(5)神経伝導速度検査

どの程度、神経の障害があるかを確認するための検査方法です。人体には無害な電気刺激によって、神経の流れを確認します。普通の人は、1秒間に60m刺激が進むのに対して、手術をしなければならないくらいの患者さんは、3分の1程度の刺激しか伝わらなかったりします。

7)左手のしびれが続く場合にすべき3つの治療法

(1)保存療法(固定療法)

手術しない療法として、ギブスやサポーターなどで、手を安静に保つ治療法があります。

(2)飲み薬やステロイド注射

消炎鎮痛剤やビタミン剤などの痛みどめを使う、炎症を抑えるためにステロイド注射をすることもあります。

(3)手術

症状が強い場合や慢性化している場合は、手術が行われます。日帰りで行える手術もあるようなので、主治医とよく相談しましょう。肘部管症候群のように、尺骨神経が圧迫されていて細くなってしまっている状態を手術で解放すると動かしずらかったりした指の動作が改善されます。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

8)治療後の2つの予後とは

(1)手術後のリハビリ

手術を行った場合は、指をしっかり反らしたり、握って拳をつくる、関節を曲げるなどの動作をとるリハビリがあります。主治医や理学療法士の指示に従って、無理のないリハビリをしましょう。

(2)手に負担をかけない

治療後は、治療した部分に極端な筋疲労をかけないようにしましょう。日常生活の中で、料理をするときなどフライパンは両手でもつなど、工夫するとようでしょう。

9)左手のしびれへ未然にできる3つのポイント

(1)日常生活の工夫

重い物を一部分に負担がかからないように持たないようにしましょう。同じ姿勢でパソコンなどをうつ方は、手首の下にタオルやクッションを置くなど、負担をかけない工夫をしましょう。

(2)しびれが出たら専門医に相談

しびれが現れたら、早期に治療することが大切です。長引かせると手術後の成績も悪くなる可能性があるようなので、整形外科を受診することをお勧めします。

(3)ビタミンB12を摂る

神経の回復にはビタミンB12が効果的です。しじみなどの貝類をはじめ、レバーなどにも多く含まれていますので、積極的に食べるようにしましょう。



今回のまとめ

1)左手のしびれには、関節の変形などによる神経の圧迫が原因のときがあります。

2)しびれる部分によって、何の神経の損傷かが予想されます。

3)しびれの原因を把握することが早期回復につながります。

4)日常の生活では、一部に重たいものを持って負担をかけないようにしましょう。

5)しびれを感じたら、整形外科を受診しましょう。