膝の治療を行う医者

歩行中に突然「カクッ」っと膝が抜けるような感覚を「膝崩れ」と言います。膝崩れを起こす原因は様々で、膝自体に原因がある場合や腰に原因がある場合があります。なぜ膝が抜けるような症状が発生するのか、メカニズムや治療法等をご紹介します。



膝が抜けるとはなに?気になる3大原因と対処方法の解説


1)そもそも膝が抜けるとはなに?症状のチェック項目とは

(1)歩行中またはスポーツ中 

(2)階段の上り下り 

(3)急な方向転換 

これらの状態で、急に膝がカクッとする状態を「膝が抜ける」「膝崩れを起こす」と表現します。 痛みや違和感を膝に抱えている場合もあれば、ない場合もあります。 

2)何が原因?膝が抜ける場合の3大原因とは

(1)膝組織の損傷 

膝にスポーツや事故等で強い衝撃を受け、膝の靭帯や半月板を損傷した事が原因です。靭帯を損傷した直後から、膝に力が入らない・歩けない等の症状が現れ、数時間後には膝の関節内に血液が溜まる事で曲げ伸ばしの際には痛みを発生するようになります。2~3週間で腫れや痛みが治まり動けるようになりますが、膝が抜けるようになる事があります。また、膝には内側と外側に1枚ずつ、薄い軟骨でできている半月板という組織があり、膝の動きをコントロールしたり、膝への衝撃を分散させる働きをしています。これがスポーツや事故等の衝撃で損傷すると、膝崩れの他にも曲げ伸ばしが困難になったり痛みを発生します。 

(2)神経麻痺 

太ももに存在する神経や太ももに繋がる神経が、何かしらの原因で圧迫され、正常に動かなくなっている状態です。また、ストレスや過労で自律神経が乱れると神経や血流に影響が出て、膝崩れを起こす場合もあります。 

(3)筋肉が原因 

お尻の筋力が硬化する事で、膝の力が抜けてしまう症状です。デスクワークや車の運転によりお尻の筋肉を動かさない事や、偏った姿勢での歩き方をする女性に多く見られます。また、加齢による膝周りの組織の老化で、筋肉に影響が出ている場合もあります。 

3)試せる応急処置はあるの?症状への対処方法とは

(1)膝を酷使しない 

膝が抜ける原因が、損傷なのか神経麻痺なのかわからない場合は、まず安静にして膝に負担をかけないようにしてください。自己判断で、膝を鍛える・膝の可動範囲を広げるといった運動やストレッチを行うと、悪化させてしまう可能性があります。 

(2)検査を受ける 

膝崩れの原因が何なのかをはっきりさせる為に検査を受けましょう。それにより膝崩れの対処方法や治療方法は異なります。

※膝が抜ける状態を何度も繰り返す場合は、治療が必要になります。 また、膝に痛みや違和感を伴っている・腰に痛みがある等の場合も、医療機関を受診しましょう。

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4)症状が続く場合は要注意!考えられる5種類の病気とは

(1)靭帯損傷 

何らかの衝撃で靭帯が損傷し、激しい痛みを感じます。特に前十字靭帯を損傷した場合、しっかりと治療・リハビリを行わないと、膝が抜ける・外れる・ずれるといった症状を発生するようになります。靭帯を損傷したら整形外科を受診し、アイシングや固定療法・リハビリを実践してしっかり治す事が重要です。 

(2)半月板損傷 

膝にある半月板を、何らかの衝撃や加齢が原因等で損傷すると、正座や階段の上り下りといった膝に負担がかかる動作が困難になります。軽度であればアイシングや固定・安静で回復可能ですが、切れたり割れたりしている場合は縫合したり切除する手術が必要になります。損傷程度によって2~3日から1週間ほどの入院になります。 

(3)大腿神経の麻痺 

太ももの付け根あたりにある神経が麻痺している状態で、慢性の腰痛もちやギックリ越しの経験者に多く見られます。レントゲン等の画像診断でも判断しにくく、腰や腸等の周囲の筋肉や神経が圧迫されているのではないかと言われいます。 

(4)椎間板ヘルニアや脊髄狭窄症 

背骨を繋ぎ合わすクッションの役割をしている椎間板が飛び出してしまったり、背骨の感覚が狭くなる事で周囲の神経を圧迫してしまい、大腿神経にも影響が出ている状態です。整形外科で画像診断の検査を行えばすぐにわかります。背骨を引っ張る牽引や、飛び出した椎間板を切除する治療が行われます。 

(5)梨状筋症候群 

女性に多く見られ、主にお尻の深い部分にある筋力の低下が原因と言われています。腰の位置がズレる姿勢を保つ事が原因で、お尻の血流が悪くなり筋肉が固まってしまいます。神経が圧迫されるので痛みやしびれを伴う事が多く、片方のお尻付近だけに感じるケースから、ふくらはぎ付近や片方の足全体にまで症状が現れるケースがあります。 

また、女性はホルモンの関係で、お尻の筋肉に影響が出る場合もあります。神経を圧迫するような姿勢を改善し、ゴルフボール等を利用してしてお尻の筋肉をほぐしたり温める事で血流がよくなります。しかし、自己判断でストレッチ等を行うと、余計に神経を圧迫する可能性があるので注意しましょう。レントゲン等の画像診断では筋肉の異常は判断できません。それらの検査を受けたうえで、骨や関節等に異常がないとわかったら、鍼灸院やカイロプラクティック等で梨状筋をほぐす治療が効果的です。 

5)専門家での検査を!症状が気になる場合へ試したい検査・治療方法 

まずは膝の骨や背骨に異常がないか調べる為に、画像診断が行える整形外科を受診します。レントゲン検査やMRI検査を受け、異常が見られた場合はその治療を行ってもらいましょう。それらに異常が見られない場合は、姿勢や歩き方・加齢等が原因で神経や筋肉に何らかの支障が出ている可能性が高くなります。鍼灸院や接骨院・カイロプラクティック・整体等で治療を受けると効果が見られる場合があります。 

6)生活習慣から予防を!膝が抜ける症状への予防習慣とは

(1)治療をしっかり行う 

膝の組織を損傷したり、腰や背骨に疾患がある場合は、しっかりと治療を行って後遺症が残らないようにする事が大切です。治療途中で断念したり、痛みがないから放置するといった事がないように、きちんと医療機関を受診して治療やリハビリを行いましょう。 

(2)適度な運動 

過度なスポーツは膝を損傷する可能性がありますが、運動不足は筋力や関節周囲の組織を衰えさせてしまいます。適度な運動を日頃から行い、筋肉の強化や血行を促進せるようにしましょう。 

(3)姿勢や歩き方に気を付ける 

年を重ねると姿勢や歩き方に癖が出てくるようになります。体の一方に負担がかかるようになると神経を圧迫する原因になるので、日頃から気を付けるようにしましょう。



今回のまとめ 

1)そもそも膝が抜けるとはなに?症状の3つのチェック項目とは 

2)何が原因?膝が抜ける場合の3大原因とは 

3)試せる応急処置はあるの?症状への対処方法とは 

4)これは病気の前兆?病気かどうかの判断基準とは 

5)症状が続く場合は要注意!考えられる5種類の病気とは 

6)専門家での検査を!症状が気になる場合へ試したい検査・治療方法 

7)生活習慣から予防を!膝が抜ける症状への予防習慣