デスクで肩に痛みを感じしている女性

突然肩や腕の関節が痛い。そんな症状に悩まされたことはありませんか?家事やスポーツなどの日常生活での疲れ以外にも意外な原因が隠れている場合があります。今回は、そんな肩と腕の関節の痛みについて、考えられる原因と病気をご紹介します。



肩と腕の関節が痛い理由とは?気になる7大原因を解説


1)どんな症状が?肩と腕の関節が痛い場合の代表的な症状とは

肩や腕は、肩こりをはじめとして家事などの日常生活でもっとも痛みが出やすい場所の一つです。単なる疲れによる筋肉痛であれば良いのですが、油断は禁物。その痛みには、思わぬ病気が隠れている可能性もあるのです。痛みだけでなく強いこりや、しびれを感じる場合もあり、このような小さな違和感にも十分な注意が必要です。

筋肉と関節の痛みでは、痛み方に違いがあります。動かす際に痛みが強くなるのは同じなのですが、筋肉の痛みが比較的表面的で、筋肉を抑えると痛みが強くなるのに対して、関節痛ではより深い位置に痛みを感じやすくなります。ただ、痛みが強い場合にはどのあたりで痛みを感じているのか判断が難しい場合も多く、筋肉の痛みだと思っていても実は関節が炎症を起こしている場合などもよく見られます。

2)なぜ痛みが?考えられる3大原因とは

(1)肩こり

肩や腕に痛みを感じる場合、もっとも多く考えられるのが肩こりによるものです。家事などの日常生活でもよく発症し、腕が上がらなかったり、じっとしていても痛みや軽いしびれを感じることもあります。また女性の場合では、胸の重さだけで肩こりになる事も多く見られます。肩こりそのものは、一時的なものも多く心配する必要は無いのですが、頭痛やめまいなどの原因となる場合もあり、長く悩まされているのであれば注意が必要です。

(2)寝違えた事による痛みやしびれ

睡眠中の体勢によっては、寝違えてしまって痛みや筋肉痛を感じる事も多くあります。特に、ふだんから布団やベッドではなくソファーやこたつなどで寝てしまう癖のある人は、注意が必要です。本来眠る事を想定して作られていない為、体が歪んだままで眠ることは、筋肉だけでなく骨格なども歪めてしまう可能性もあります。たまにであればまだ良いですが、繰り返す内に少しづつずれが発生してしまいます。

布団やベッドなどできちんとした体勢で眠る事が疲れを適切に取るためにも大切です。また、布団などで寝ていても頻繁に寝違えてしまう場合には、枕などの寝具が身体に合っていない可能性もあります。寝具店やホームセンターでは、様々な枕が販売されています。色々と試してみて、自分に合った寝具を選ぶと快適な睡眠をとることができます。最近では、専属のスタッフさんがいろいろとヒアリングをしながらその人に合った寝具をオーダーメイドで作ってくれるようなお店もあります。少々お値段は張りますが、快適な睡眠のためには決して高い買い物では無いのではないでしょうか。

(3)四十肩・五十肩

肩から腕にかけて痛みをつよく感じる場合には、四十肩や五十肩の可能性が高くなります。このような名前ですが、最近では20代や30代などの若い世代の人にも発症することがあり、「肩関節周囲炎」と呼ばれています。突然激痛に襲われる事が多いのですが、人によってはじわじわと少しずつ痛みを生じる事もあります。両腕・両肩では無く、左右どちらかに症状が発生しやすいのも特徴です。

急性期には痛みが非常に強く、服を着たりするような動作でも痛みを感じ、夜になるとさらに痛みを感じやすくなります。じっとしていると痛みを感じない慢性期を過ぎて、少しづつ回復に向かいます。ほとんどの場合で自然に治癒していきますが、まれに運動障害などが残る場合があります。可能であれば、整形外科などを受診することをおすすめします。

3)自分でできることは?症状へ試したい対処方法とは

痛みに対しては、市販の湿布薬や軟膏(塗り薬)にも肩こりを対象としたものが販売されていますが、根本的な原因の解決とはなりません。腕や肩の筋肉を鍛えたり、日ごろからマッサージを行うこと、また姿勢が良くない方は、背筋を伸ばして体の重心を負担のかからない形に整える事も対策となります。また食生活もやストレス、喫煙なども体への負担を考えると十分に注意しなければなりません。

脂肪分の摂りすぎなどで脂肪が多くついてしまっては、その重さに筋肉量が足りていなければこりやしびれの原因となる事があります。そしてストレスや喫煙なども、体の代謝を落とし筋肉が落ちてしまう原因となる場合があります。できるだけストレスを発散したり、ストレスフリーな生活を心がけたいですね。また症状や考えられる病気によっては薬を使用する事でかえって悪化してしまったり、治療を遅らせてしまう原因となる事も考えられます。

※市販の湿布薬や、軟膏などの医薬品は「痛み」に対する対症療法(病気や症状の原因ではなく、症状のみを和らげるもの)です。症状が辛かったり、長く続く場合には自分だけで判断せず、まず医師の診察を受け、適切な対処ができるようにすることを強くおすすめします。

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは

通常、肩こりや四十肩・五十肩などの軽度な症状の場合には、痛みは日を追うごとに少しづつ和らいでいきます。痛みが今までに無いほど強い場合や、刺されたような鋭い痛みを感じる場合、また症状が長く続き一向に治まらない場合などには、病気の疑いがあります。少しでも異常を感じた場合には放置せず、できるだけ早い段階で医師の診察を受けてください。

Doctors have a discussion

5)病気の可能性とは?考えられる4種類の病気

(1)頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)

頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(背骨の首の部分)にある、椎間板と呼ばれる骨と骨の間のクッションの役割りを果たす部分に変形が生じ、神経を圧迫してしまう事によって発症する病気です。痛みだけではなく強いしびれも伴うのが特徴で、肩から腕、そして指の方にまで痛みやしびれを感じることがあり、頭痛やめまいなどの症状を併せて発症する事も多く見られます。

日常生活に支障が出る程の痛みがありますが、4、5カ月程度で痛みは和らぎ、変形していた椎間板も少しづつ治ります。痛みに対しては、鎮痛剤や湿布薬などを処方してもらうと良いでしょう。自然に治癒する事が多い病気ではありますが、他にも原因が考えられるために自己判断は危険です。可能な限り病院で医師の診察を受けてください。

(2)腱板損傷(けんぱんそんしょう)

腱板損傷とは、肩にある腱板と呼ばれる筋肉に、何らかの原因で痛みが生じている状態です。発症は40代以上の男性に多くみられ、野球やテニスといった腕をよく使うスポーツや、重いものを持った衝撃、加齢などが原因と言われています。50代以上では、自覚症状の無い方も含めると4人に1人が患っているとされ、身近な病気でもあります。

四十肩や五十肩では就寝時など安静にしている時には痛みが和らぐのに対し、腱板損傷では安静時にも疼痛(とうつう、うづくような痛み)を感じるのが特徴とされています。治療は自分自身でできる事は無く、病院では三角巾を付けて数週間安静に過ごすというような治療がとられますが、程度によっては手術や運動療法などが必要となる場合もあります。

(3)胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

胸郭出口症候群は、20代や30代などの比較的若い世代や、なで肩の人、それに普段から重いものを持つことの多い人に発症する事が多い病気で、女性に発症しやすいとされています。鎖骨に近い部分の血管や神経が圧迫される事が原因で発症し、腕から肩にかけて痛みを感じます。他にも、腕や肩のだるさや、重苦しさを感じる事も特徴です。温熱療法と呼ばれる温めて血行を促進する治療や、運動療法、食事療法などが用いられますが、症状の程度によっては手術による治療を行う場合もあります。

(4)変形性関節症

変形性関節症は、関節そのものが変形を起こす病気です。神経の根元が変形する事により、片腕が痺れたり、筋肉が低下するなどの症状が見られる「神経根症」と呼ばれる段階と、より症状が進行してせき髄にまで影響が及ぶ「せき髄症」と呼ばれる段階に分けられます。変形を引き起こす原因としては、普段の姿勢に問題がある場合が多く見られ、背中が曲がっていたり、前かがみになるような姿勢を長く取る人に多く見られます。

神経根症の段階では、頚部(首の部分)を固定して安静にし、鎮痛剤により痛みを和らげる治療が行われ、整体やマッサージなども併せて行われます。せき髄症の段階に進んでしまうとこのような治療は難しくなり、多くの場合で手術が必要となります。

6)症状が続く場合は注意!試される可能性のある検査・治療方法

痛みが強く、日常生活に支障が出るような状態であったり、症状が数週間以上に渡って長く続く場合には病気の可能性が高くなります。迷わず病院を受診しましょう。肩や腕の痛みを感じる場合には、主に「整形外科」を受診すると良いでしょう。

(1)検査方法

血液検査などが行われる場合もありますが、関節に関する病気ではレントゲンやCTなどによる画像診断が行われる場合が多いようです。また、医師による触診(触れることによる診断)や、目視による診断も行われます。費用としては、概ね3,000円から5,000円程度の負担となる場合が多いです。

(2)治療方法

原因となる病気によって治療方法も大きく異なってきます。体のゆがみやこりが原因の場合には、整体・マッサージなどでの治療や、鎮痛剤などで痛みを和らげて自然治癒を待つ場合も多く見られます。ただし、関節や骨の変形を伴う場合には、症状が重ければ手術などの外科的治療の対象となる場合もあります。整体やマッサージ、痛みを和らげる薬の処方のみで改善が見込める場合には、月に数千円程度の負担で治療を行う事ができますが、手術や高度な治療法、また保険適用外の治療法などを選択した場合には、費用が非常に高額になる場合もあります。

事前説明の段階で、予め医師と相談して治療法を決める事が望ましいでしょう。いずれにしても、少しでも普段と違う違和感を感じた場合にはできるだけ早い段階での受診をおすすめします。時間が経てば経つほど症状も悪化し、治療にかかる費用が増えるだけでなく体への負担も大きなものとなってしまいます。

※上記費用は、2割負担での一般的な計算です。検査内容(特に画像診断では、撮影する範囲や枚数によって大きく金額は異なります)や、治療の方針・期間などによっては費用が高額になる場合もあります。高額になった場合の為に、加入している保険の高額療養費制度(一定額以上の医療費となった場合に、超えた額を保険組合などが負担する制度)なども調べておくと安心です。

7)日常から改善を!肩と腕の関節が痛い症状への予防習慣とは

肩や腕の痛みに対しての予防週間としては、姿勢を良く保つことと、適切な体勢で睡眠をとる事が最も大切です。その時点での影響は小さくても、それが長い年月を経て積み重なる事により、関節や骨の変形の大きな原因となってしまいます。姿勢を良くすると、病気を予防できるだけでなく疲れが溜まりにくくなり、また見た目も美しくなります。できるだけ良い姿勢を常日頃から心がけたいですね。

また意外に思えるかもしれませんが、食生活も重要なポイントです。骨や関節、筋肉などは非常に多くのたんぱく質やカルシウムを必要とします。魚介類や穀物などは、日本人に必要な栄養素をたくさん含んでいます。丈夫な体づくりのためにも、野菜や魚を中心としたローカロリーな食生活を心がけることによって、内側から体を丈夫に作る事ができます。そして睡眠不足やストレスも、体の代謝を悪くし、体の様々な所で悪影響を及ぼします。忙しい中でも睡眠時間を確保することや、ストレスを適切に発散できるように心がけることも大切です。



今回のまとめ

1)どんな症状が?肩と腕の関節が痛い場合の代表的な症状とは

2)なぜ痛みが?考えられる3大原因とは

3)自分でできることは?症状へ試したい対処方法とは

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは

5)病気の可能性とは?考えられる4種類の病気

6)症状が続く場合は注意!試される可能性のある検査・治療方法

7)日常から改善を!肩と腕の関節が痛い症状への予防習慣とは