漢方

芍薬甘草湯とは漢方薬の一つで、腰痛や筋肉の痛みを抑える効果があると言われています。

漢方ですので、古くからある薬ですが、実際にどのような効果とメカニズムがあるのか、なかなか調べる事は難しいですよね。今回、芍薬甘草湯とは何なのか、どのような効果や効能があるのか、摂取の際の注意点などをまとめました。



芍薬甘草湯が腰痛にオススメ?注目の2大効果と摂取の注意点


1)そもそも芍薬甘草湯とは?

(1)代表的な痛み止めの漢方

芍薬甘草湯とは、生薬の芍薬と甘草の2種類を含む漢方では代表的な痛み止めです。漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、今でもよく使われています。

芍薬と甘草は、各種の痛み対策の漢方薬に使われているほど有名な漢方で、筋肉が痙攣し急に強い痛みが出た際の痛み止めに最適です。

(2)作られた目的とは?

古くからの考えでは、急激な筋肉の痛みは「気」と「血」が一時的に不足している状態であり、動力と栄養分が足りなくなった状態になっているというのが漢方の考え方でした。

そのため不足した動力と栄養分を補給することで、対処することを目的に芍薬甘草湯は作られています。

(3)期待できる効果とは?

効果としては、筋肉の急な痛み及び痙攣を伴う症状には全般的に対応し、「腰痛(特にぎっくり腰)」「こむら返り」「肩こり」「筋肉痛」のほかにも「胃痛」「腹痛」「生理痛」にまで利くといわれています。

様々な痛みに効果の出る芍薬甘草湯ですが、特に急な痛みが襲う症状は「腰痛」ではないでしょうか?今回は、芍薬甘草湯と腰痛を解説したいと思います。

2)芍薬甘草湯が腰痛のケアに関係している?そのメカニズムとは?

ここまでは、芍薬甘草湯のついての概要と腰痛の種類について解説してきました。

そして、腰痛の原因は様々でも痛みを伴うものであり、慢性の場合は通院が必要ですが、急性の場合は安静にしていることとケアをする事により回復していく事がわかっていただけたと思います。

また芍薬甘草湯は、各種の痛み対策の漢方薬であり、腰痛の痛みの軽減にも効果があると言われています。では、芍薬甘草湯がどうして痛みをケアする漢方薬なのか?そのメカニズムを解説したいと思います。

芍薬甘草湯が「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」の2種類の生薬で作られていることは冒頭で記載しましたが、その2種類の生薬の効果が大きく関係しています。

(1)芍薬とは

1種類目の「芍薬」には、血虚を補い血の巡りを良くし、栄養を補う作用もあるため、筋肉のけいれんや痛みを抑える効果があると言われています。

(2)甘草とは

また2種類目の「甘草」には急な痛みやけいれんを抑える効果があると言われており、2種類の生薬を混合する事で様々な痛みに対応する効果が得られていると考えられています。

2種の混合薬である芍薬甘草湯の摂取により起こる作用には、主に「抗アロディニア作用」「ノルアドレナリン神経系活性化作用」があり、これらの作用が体の痛みを軽減するメカニズムとなっているのです。

この2つの作用については、後ほどご説明します。

3)ここに注目!芍薬甘草湯に含まれる主な栄養素2選

芍薬甘草湯は2種類の生薬の混合で、1つ1つの生薬が痛みを抑える働きをしている事はお伝えしましたが、実際にどのような栄養が含まれているのでしょうか。

(1)カルシウム・マグネシウム

筋肉が収縮して痙攣するなどの腰痛や体に痛みを伴う症状は、ミネラルのバランスの崩れが原因であると言われています。ミネラルは体を作り、体の働きを維持する為には必要な栄養素で、特に筋肉を動かす為には「カルシウム」「マグネシウム」が重要な役割を持っています。

しかし、「カルシウム」や「マグネシウム」不足するとバランスを崩すため、腰痛などの痛みを引き起こしているのです。

(2)ミネラルバランスの調整

そのため、芍薬甘草湯はノルアドレナリン神経科作用などの痛みを和らげる効果のほかに、不足する「カルシウム」「マグネシウム」といった栄養を体に補給し、ミネラルバランスを整える働きをしているのです。

Women who have been stuck back pain of taping at Osteopathic Council

4)芍薬甘草湯が腰痛に与える2大効果とは?

前述で、芍薬甘草湯が腰痛に関係するメカニズムをご説明しまし、「抗アロディニア作用」や「ノルアドレナリン神経系活性化作用」など複数の体への作用により、痛みを抑えるとご説明しました。

では、その作用はどのような体への働きで、体への効果を与えているのかを具体的に解説したいと思います。

(1)抗アロディニア作用

アロディニアとは、正常であれば痛みやしびれなどの刺激で無いものを痛みとして感じてしまう突発的な病気に対して抑制する効果があります。

(2)ノルアドレナリン神経系活性化作用

痛みを穏やかにする機能を持っているノルアドレナリン神経系を活性化し、痛みが神経を伝わっていくのを抑制する効果があります。

この他にも芍薬甘草湯による作用(例えば中枢性鎮痛作用など)がありますが、腰痛への効果を与えるのはこの2つの作用が関係しています。

5)一緒に摂取を!腰痛予防に一緒に摂取したい食材5選

腰痛が発症する前に腰痛予防に気をつけることが一番大事です。腰痛の予防としては、筋肉の衰えを防ぐ為の運動や仕事中のストレッチなどの筋肉を鍛えたり、緊張をほぐすなどの予防もありますが、食事などの体の内側からの改善も必要です。

ここでは、腰痛改善に必要な栄養素をご紹介し、摂取の方法などもご説明します。

(1)たんぱく質

身体の主成分である筋肉や血液を作る栄養素です。肉・魚を食べる事で摂取できますが、納豆や豆腐などの大豆製品を食べる方がよいでしょう。肉などは脂肪も摂りやすくなるため注意してください。

(2)ビタミンB

血行を良くしてくれて、肉体疲労に作用する栄養素で、豚肉、レバーやヒジキなどの海藻類、あさりなどの貝類、大豆食品などに多く含まれます。

熱や水に弱く、温めすぎたり洗いすぎるのは良くありません。またビタミンEと一緒に摂取すると血液循環を良くするため効果的です。

(3)ビタミンE

筋肉の疲労回復を促してくれる栄養素です。身体の酸化を防いでくれる栄養素で、たらこ、いくら、スジコなどの魚卵やかぼちゃ、アボガド、ナッツ類に多く含まれます。

ビタミンEはなかなか摂取する機会が少ないですが、積極的に摂取するようにしましょう。

(4)カルシウム

体の大部分を形成する骨を作る重要な栄養素です。関節の痛みを伴う腰痛症状を緩和する為にも摂取してください。イワシ、しらす干し、などの魚類や牛乳、チーズなどの乳製品に多く含まれています。

ビタミンDと一緒に作用することで骨を丈夫にするため、一緒に摂取する事をお薦めします。

(5)グルコサミン

骨と骨の間の「軟骨」を生成し、関節に深く関わっている重要な栄養素です。

干しエビやカニなどの甲殻類、山芋や鳥皮、牛すじなどに多く含まれています。食品だけでは摂ることは難しいためサプリメントも活用してください。

主に腰痛に効果のある栄養素と代表的な食材をご説明しました。どれも体の形成に必要な栄養素と食材であり、またサプリメント等での摂取と言うよりは、バランスよく食べて摂取頂いた方が良いと思います。

6)摂取方法を理解しよう!芍薬甘草湯を摂取するコツと注意点とは?

芍薬甘草湯は、成人の方で1日7.5gを2~3回に分けて、食前に服用してください。もともと液剤だったため、服用時には常温より少し高めのお湯で溶かしてから服用した方が効果的だと言われています。

注意事項は数点ありますので、下記にまとめて記載します。

(1)熱すぎるお湯では成分が揮発する可能性があるため、効果が低減します。

(2)長期にわたる服用には適しませんので、症状のひどい時に飲むようにしてください。

(3)アルドステロン症、心臓病や高血圧など循環器系に病気のある人は医師にご相談ください。

(4)大量服用により「むくみ」を生じたり、血圧が上がる「偽アルドステロン症」になる場合があります。



今回のまとめ

1)芍薬甘草湯は漢方薬の一つで、生薬の芍薬と甘草の2種類を含む代表的な痛み止めです

2)腰痛には、「筋肉疲労」「腰椎の変性」「ケガ」「ストレス」などの原因がある

3)芍薬と甘草には、痛みや痙攣をおさえ、「カルシウム」「マグネシウム」を補う働きがある

4)「抗アロディニア作用」や「ノルアドレナリン神経系活性化作用」腰痛を抑える2大効果

5)腰痛予防には、筋肉を鍛えるだけでなく普段の食事から改善が必要

6)芍薬甘草湯は適切に摂取し、長期(連日)の服用には注意が必要