太ももが「つる」や「けいれん」の経験はありますか?どちらも太ももの筋肉のストレスが原因かもしれません。太ももの筋肉が硬直し様々な症状が現れてきます。症状によっては似た病気もあるようです。それぞれの原因と対処法を覚えておきましょう。
目次
太ももが痙攣するのはなぜ?要注意の5種類の原因と病気とは
1)そもそも「痙攣」とはなに?他の似ている症状との違いとは
(1)痙攣とは何?
痙攣とは主に筋肉が硬直し、収縮する事で瞼や顔の一部がピクピク動く現象を言いますが、他にも脳や神経の何らかの異常によって起こるてんかんの発作もひっくるめて痙攣と呼ぶこともあります。
(2)他の似ている症状との違いとは?
足をつった経験がある人はたくさんいるでしょう。これは足の筋肉がピクピクと痙攣していなくても、筋肉の硬直によって引き起こされ同じ原理なので、同じく「痙攣」していると言えます。
2)どんな症状が現れる?太ももが痙攣した場合の代表的な症状とは?
太ももの付け根から20cmくらい離れた太ももの上部の筋肉が、まるでしゃっくりするかのようにピクピクと動くことが多く、痛みはありませんが、長い人だと数ヶ月くらい続くケースもあります。
このように痛みがなくすぐ症状が治まってくれるだろうと放置する人が多いですが、原因が分からないままにすると数ヶ月症状が続き、精神的ストレスが溜まってきます。
3)なぜ痙攣が?太ももの痙攣で考えられる5大原因
(1)血流が悪い
筋肉を動かさない状態、あるいは血流が悪い状態によって筋肉を動かす作用のあるグリコーゲンの働きが悪くなる事で、特に太ももの裏側の筋肉がつりやすくなります。
(2)運動不足・もしくは運動のしすぎ
いつも使わない太ももの筋肉を急に動かすことで筋肉がうまく動かせずに筋肉が硬直することがあります。また筋肉を使い過ぎでけいれんすることがあります。これはいつもと違った筋肉の使い方をする事で筋肉が誤作動を起こしてしまうからです。
(3)骨盤の歪み
骨盤は体の骨格「背骨、頸椎」のバランスを司る大切な部分です。骨盤が歪みはじめると歪んだまま骨が硬直し、その上に筋肉がついているのですが、骨格がゆがんでいることにより骨盤と繋がっている太ももの筋肉がアンバランスになり筋肉が硬直してしまいます。
(4)病気が関連
主に下半身の筋肉の血流が悪い事が原因でさまざまな病気を起こすことがあります。下半身の中で太ももは特に大きな筋肉があります。ふくらはぎや足首の血流が悪くなりがちですが、太ももとふくらはぎと足首の筋肉は筋膜によって繋がってるため、病気によって太もものけいれんが起こる事があります。
(5)ミネラル不足
インスタントラーメンなどのジャンクフードなどの偏った食生活を続けていると、ミネラル不足に陥ってしまいます。とくにカルシウムやマグネシウム不足が懸念されるため、野菜や果物をたくさん取るようにしましょう。
4)試せる処置はある?痙攣への対処方法とは?
(1)試したいこと
・太ももを温める
・ストレッチをする
・マッサージをする
・栄養バランスを見直す
とにかく筋肉を柔軟に戻す必要があります。そして太ももを冷やさないようにお風呂でゆっくりを体をあたたることが大切です。太ももが痙攣した時はあせらずにゆっくりと足を伸ばすことが大切です。また足のつま先を掴むように体を九の字に曲げてストレッチをしましょう。さらにミネラルを意識した食生活として、野菜果物を多くとりましょう。
(2)注意すべきこと
・下半身を冷やす
・悪い姿勢
・生活習慣を乱す
とにかく太ももの筋肉は冷え切った状態では太ももどころかふくらはぎや足首、つま先などの血流が悪くなり、代謝も悪くなり、将来的には病気の原因にもなります。また骨格が歪むことで全身の筋肉が常に緊張しています。姿勢をつねに正す習慣を身に付けることが大切です。
5)病気の可能性も?病気かどうかのチェックと判断基準とは
姿勢の悪さにより骨盤が歪んでいる原因によるものや、運動不足あるいは筋肉の使い過ぎによって起こる痙攣が考えられますが、あまりにも太ももが痙攣することが多々あれば神経系や静脈瘤などの病気が潜んでいることがあります。気になるようならば病院へ診てもらう必要があります。
6)症状が続く場合が注意!可能性のある4種類の病気とは
(1)下肢静脈瘤
太ももを含む足の血管の病気の事です。足の血管の静脈にコブ(瘤)がのような状態が出来てしまいます。この原因は血管内の血液の流れが割る状態が長く続くことで起こり、足のだるさや冷え、むくみなどの症状が慢性的に起こるようになります。
(2)閉塞性動脈硬化症
主に手足の血管に起こる動脈硬化の事ですが、血管そのものが硬化するだけではなく、血管が狭窄し、血管が詰まってしまう事で手足まで血液が届かなくなる症状の事を言います。太もものけいれんは冷えを感じる場合がありますが、通常の冷え性とは意味が違います。
(3)腰椎椎間板ヘルニア
腰部の背骨の椎骨と椎骨の間には軟骨(椎間板)があります。この軟骨はクッションの役目をしているますが、何らかの原因で椎間板が飛び出てしまいます。これがヘルニアです。飛び出てしまった椎間板が神経を圧迫することで太ももの筋肉の硬直やしびれなどが起こります。
(4)脊柱管狭窄症
背骨にある脊柱管がありますが、年齢を重ねていくうちに、関節や椎間板などが狭くなり、神経を圧迫することで血流に障害をきたし、太ももの神経にも影響してしびれなど起こります。
7)症状が気になる場合へ試すべき検査・治療方法
(1)検査方法
整形外科で受診しましょう。問診、視診、触診などを行い、場合によっては精密な検査を行います。
・下肢静脈瘤
主な検査では超音波(エコー検査)、レントゲン検査、静脈の容積脈の変化を調べる「容積脈波検査」、足を上げたり下げ媒体を使用した下肢の変化を空気静脈還流の機能を調べるために行う「空気脈波検査」などがあります。
おもに行うエコー検査費用は3割負担で1000~1500円くらいです。
・閉塞性動脈硬化症
主にMRI検査、造影MRI検査、X線撮影、X線血管造影検査などで検査を行います。MRI検査に関しては所要時間30程度で、その他の注意点として、造影MRI検査においては喘息アレルギー持ちの人は使用できない場合があります。
・腰椎椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアが原因で太ももの痙攣がある場合、うつぶせに寝て行う「太腿神経伸展テスト」を行う検査や、X線撮影、MRI検査を使った検査を行い診断します。X線撮影は腰椎の状態を把握するには不向きではありますが、骨の形態などの変形などを診る事では適しています。
・脊柱管狭窄症
X線撮影、CT検査、MRI検査、などが主な検査方法です。この検査では骨の変形や骨のズレ具合、脊柱の狭窄状態などを把握することが可能です。特にMRI検査では、閉所恐怖症やペースメーカーを使用している人は使用できない場合があり、一度検査入院で脊髄造影検査をする場合もあります。
(2)治療方法
・下肢静脈瘤
軽症の場合は弾圧ストッキングを使用した保存的治療、静脈に注射して固める硬化療法、血管をしばって行うストリッピング手術、血管の内側を焼く血管内の高周波、レーザー治療等を行います。
保存的治療や硬化療法は3割の保険適用で3000~5000円ほどで、それ以外の治療は4万~5万円くらいになり保険適用外となります。
・閉塞性動脈硬化症
主に薬物療法を行い血管拡張薬を処方してくれます。ほかにはカテーテルを使用した治療で狭くなった血管を拡張するために、「ステン」を留置して行う治療法で近年この手術法が主流となっています。また症状によってはバイバス手術を行ったり、筋肉を強化するための体操を指導を行う事もあります。
・椎間板ヘルニア
保存療法として、痛みを抑える神経ブロック注射、非ステロイド性消炎鎮痛薬、弛緩薬などを行ったり、手術療法などを行います。また専用の器具を使い索引し筋肉を強化するなどの理学療法など行います。
・脊柱管狭窄症
薬物療法、ブロック療法などがあります。この病気の症状では脊柱の神経の圧迫だけではなく、周りの血流の障害も起こる事から血流を増やす薬物を処方することもあります。さらに器具を装着したり、運動療法としてリハビリを取り入れる事もあります。
8)生活習慣から改善を!痙攣の症状への4つの予防習慣
(1)クエン酸を摂取する
疲労回復や免疫力が低下しているときに体の疲労物質である「乳酸」を素早く除去してくれる働きがあります。また筋肉の収縮作用に効果的で、筋肉の動きをスムーズにしてくれる効果もあり太ももの痙攣の予防になります。
(2)軽い運動
普段体を動かさない生活をしていると、使わない筋肉量が低下したり、筋肉が硬くなり柔軟性を失ってしまいます。また太ももは筋肉が付きやすいですが脂肪も付きやすい部分で、少しでも太もも使っていないままだと筋肉が脂肪に変わってしまいます。軽く20分程度のウォーキングや階段を使った運動をする事で太ももの痙攣を予防できます。
(3)温める
下半身は特に血流が悪い状態になっています。骨盤から繋がっている太ももの筋肉は骨盤の歪みによっては太ももがつったり痙攣をおこしやすい環境になるため、さらに血流が悪くなりやすいので、普段から太ももを冷やさないようにシャワーではなくお風呂でゆっくりと体を温めましょう。
(4)良質な睡眠
睡眠は一日の疲れを取り体や心をリセットしてくれます。睡眠不足や眠りの浅い睡眠になり、自律神経の交感神経が常にオン状態になるため24時間筋肉がリラックスができていません。ゆっくりと時間に余裕を持ち、最低でも7時間は寝るようにします。
まとめ
1)痙攣は筋肉の硬直です
2)太ももの痙攣の代表的は症状は「しゃっくり」に似ています
3)痙攣の原因は5つあります
4)太ももは冷やさないようにしましょう
5)異常なほど太ももが痙攣するならば病気かもしれません
6)病気の可能性は太もも意外の所にあります
7)代表的な検査方法は、MRI検査・X線・CT検査などです
8)日頃から生活習慣を改善していきましょう
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